ポジションを1=投手、2=捕手、3=一塁手のように数字で呼称したのもチャドウィックだった。もっともチャドウィックは当初、5=遊撃手、6=三塁手と、現在とは逆にしていたと言われる。またH=死球、B.B=四球、W.P=暴投、E=エラー、K=三振、S=盗塁、L=ファウル、T=セーフティバントなどの略称も決めた。
ルールが変動するなかで
記録法が確立されていく
筆者の手元には、1866年に刊行されたチャドウィックの手になる「The Baseball player’s book of reference」の復刻版があるが、ここにはごく初期のスコアカードが紹介されている。
これを見ると、各マスの左スミの・は得点、Kは三振、ABCHは一、二、三塁、本塁などの注釈がついていて、攻撃側と守備側の選手が両側に並んで表記されている。試合経過は最下段に示されているが、今見ても大体把握できるものになっている。チャドウィックはこうしたスコアカード、ボックススコアを集計したうえで、打率、防御率という投打の選手評価の数値も考案している(打率=安打数÷打数、防御率=自責点÷投球回数×9)。