勢いを感じる「茗溪」と「江戸取」
茨城の中学も、前年の11月末や12月初めに第一志望の受験生を集める最初の一般入試を行う。寮のある茗溪学園(つくば市)は国際生の募集に熱心で、11月のAC入試に加えて、1回と2回でも国際生向けの入試方式を設けている。日程はいずれも同一だが、AC(アカデミアクラス)とMG(茗溪ジェネラル)に分けて募集、ACとMGの同時出願も可能だ。
志望者数は全体的に増加傾向で、2025年入試はさらに倍率が上がりそうとなっている。24年の受験者数と実倍率を見ていこう。[12月21日1回]は、ACが113人受けて4.52倍と人気だったが、志望者数は5割近く増えている。[12日2回]の一般生は4科となるが、ACは247人が受験して3.34倍と盛況、MGも140人で2.86倍だった。2回の志望者数はAC1割強、MG3割半増と好調だ。[25日3回]の一般生は総合学力が問われる。ACは5.86倍、MGは2.14倍で、志望者数はそれぞれ3割強増と9割増となっており、25年入試では2倍台の入試回がなくなってしまう勢いである。
江戸川学園取手(取手市)は、5科目型(4科+英語)・英語型(国算英)・適性型の3タイプの入試をそれぞれの入試回で行い、東大・医科・難関大という三つのジュニアコースで320人を募集している。24年の受験者数と実倍率と四模試の志望者数の動向も踏まえて見ていこう。[12月14日適性型]は425人が受験して、3.86倍だったが、志望者数は全体的に上向きで、特に難関大に人気がある。
ここからは三つのコース別に見ていこう。5科と英語型の[17日1回]は、309人・3.06倍の東大と236人・1.03倍の難関大はいずれも微増、176人・2.44倍の医科は1割半増と、25年は上昇傾向にある。三つのタイプを全て設定している[25日2回]は、3.06倍の東大が3割強増、3.72倍だった医科は5割減、1.29倍の難関大が2割弱増となっている。
5科と英語型の[2月4日3回](24年は5日)は、受験者数が2桁になるものの、実倍率は東大5.09倍、医科4.67倍、難関大は合格3人で17.33倍と狭き門になる。志望者数を見ると、東大と医科はいずれも3割以上減った一方で、難関大は2割強増えている。
開智望(つくばみらい市)は、単独の入試としては[12月7日専属型](24年は9日)と[12月14日適性検査型](24年は16日)がある。24年の志望者数と実倍率を見ると、12人・1.2倍と49人・1.17倍となっている。主力の入試は、1月に実施される開智併願の入試で、いずれも開智の入試問題を使用するため、入試日程も同一となり大きく動いた。[10日1回]や[11日特待A][11日午後算数特待] や[12日2回]もあるが、24年に一番受験生が多かったのは[15日特待B]となる入試回で、642人が受験して1.33倍だった。開智日本橋の入試を受験して開智望の合否判定も得られる[2月4日4回]は、24年実倍率2.05倍だった。