2025年「倒産ドミノ」勃発!?倒産危険度ランキング【上場434社・最新版】#22Photo:PIXTA

人件費高騰に加え、物価高を背景に原材料費や輸送費などのコスト増が続き、それらを販売価格に転嫁できずに経営破綻に追い込まれる企業が相次いでいる。卸売業界も厳しい。商材や経営力によって価格転嫁に濃淡が出ており、優勝劣敗が鮮明になっている。特集『2025年「倒産ドミノ」勃発!?倒産危険度ランキング【上場434社・最新版】』の#22で取り上げるのは卸売業界。倒産危険度を検証したところ、10社が“危険水域”となった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

人件費、輸送費高騰で倒産急増
卸売業界で進む“優勝劣敗”

 足元で倒産が急増している。2024年度上半期(4~9月)の全国の企業倒産件数(負債総額1000万円以上)は、10年ぶりに5000件を超えた。24年度の倒産件数は、13年度以来11年ぶりに1万件を突破する勢いだ。

 人件費高騰に加え、物価高を背景に原材料費や輸送費などのコスト増が続き、それらを販売価格に転嫁できずに経営破綻に追い込まれる企業が相次いでいる。帝国データバンクによると、24年度は人手不足倒産と物価高倒産の件数がそれぞれ過去最高ペースだ。

 企業の価格転嫁率は44.9%にとどまっており(費用が100円上昇しても44.9円しか販売価格に反映できず、残りを企業側が負担する状態。数値は24年7月時点の全国平均)、企業全体の1割強は全く価格転嫁できていない。

 今回のテーマである卸売業界も厳しい。東京商工リサーチによると、24年度上半期において卸売業の倒産件数は639件。前年同期比31.5%増で、同社が取りまとめた10業種中、最も増加率が大きかった。

 卸売業は売り先が一般の消費者ではなく法人向けであるため、比較的価格転嫁が進んでいると思われがちだ。しかし、実際には取り扱っている商材や経営力によって価格転嫁に濃淡が出ており、優勝劣敗が鮮明になっている。

 ダイヤモンド編集部は今回、卸売業界の倒産危険度ランキングを作成した。この業界を扱うのは初の試みであり、10社が“危険水域”に入った。

 このうち、食品販売のヨコレイがワースト8位にランクインしている。果たして1位はどこか。次ページでは、ワースト上位企業の顔触れを見ていこう。