不登校を「温かく見守る」大人の
無責任が事態を悪化させる

 それにもかかわらず、「そっとしておいた方がいい」という考え方が全国的に広まっており、それが逆効果の対応を生んでいるケースも少なくないという。ただし、一部の教師による強引な家庭訪問の弊害もみられるので、強引にならない形での家庭訪問をしてもらうことが大事であるとする。

 文部科学省が実施した「不登校児童生徒の実態把握に関する調査」では、小学校4年生以前にも1年間に30日以上欠席したことがある小学6年生が54.3%、小学生のときにも1年間に30日以上欠席したことがある中学2年生が47.3%となっている。

 つまり、小学5年生時に不登校であった小学6年生も、中学1年生時に不登校であった中学2年生も、それ以前に約半数が年間30日以上学校を休んだことがあったのである。

 こうしたデータをみても、とくに理由もなく学校を休むことがあった場合は、「そっとしておく」のではなく、あまり強引にならないように気持ちに配慮しながらも、極力登校を促す働きかけをすることが、不登校の長期化を防ぐためには大切であるといってよいだろう。