「東塔」で手に入れたい「御納経帳」と限定の「お守り」
根本中堂前の石段を上がって右手、大日如来を御本尊とする大講堂は、4年に一度の「法華大会広学竪義」をはじめ、経典の論議や法会を行う道場。伝教大師最澄から始まる歴代の高僧、桓武天皇、聖徳太子、各宗派の祖師像が安置されています。堂内の一角には、多彩なデザインの御納経帳(御朱印帳)やお守りが並んでいるので、要チェック。大講堂限定の「五角厄除守」は白と黒の2種がそろいます。
東塔エリアの南西端には、伝教大師最澄が計画し、慈覚大師円仁が天台密教の根本道場として創建した法華総持院の東塔と、ご先祖様を供養する滅罪回向の阿弥陀堂が並び立ちます。その他、伝教大師最澄が初めて比叡山に登った際、大黒天に出会ったという逸話を伝える大黒堂も。こちらは三面出世大黒天が御本尊で、羽柴(豊臣)秀吉が参拝に訪れ、天下統一を果たしたことから、「出世」の名が付きます。また、学問の仏様として信仰される「知恵の文殊菩薩」を楼上に安置した文殊楼(重要文化財)の美麗な建築も必見。最後にご紹介する延暦寺会館も東塔にあります。
冒頭でご紹介したように、国宝殿では世界遺産登録30周年記念特別展「比叡山と平安京」が12月1日まで開かれています。比叡山延暦寺から京都や滋賀の寺院に受け継がれた文化財まで一堂に会します。唐の天台山巡礼の足跡を伝える一級史料「伝教大師入唐牒(にっとうちょう)」など伝教大師最澄真筆の巻物や、平安の三筆として名高い嵯峨天皇筆「光定戒牒(こうじょうかいちょう)」、千年ぶりに京都の大雲寺から比叡山に戻ってきた梵鐘といった国宝や重要文化財の数々を目にすることができるチャンスです。