クルーズ事業への新たな挑戦
15年間で約6000億円の利益効果か
新エリアに続いてもう一つ、オリエンタルランドには期待できる新事業があります。28年に就航予定のクルーズ事業です。アメリカではすでに「ディズニー・クルーズライン」が人気で、ディズニー社は5隻の豪華クルーズ船を保有し、25年までに8隻体制を目指しています。そんな豪華なクルーズ船が、日本でも楽しめる日が近づいているのです。
このクルーズ事業は、東京ディズニーリゾートのパークを飛び出し、新しいステージで夢の国の体験を提供する戦略です。客船内での2~4泊の間、ずっと魔法の空間に浸る体験は、既存のファンはもちろん、新しいファン層にもアピールできるでしょう。
クルーズ事業の概要は以下のとおりです。
就航予定:2028年
客室数:約1250室
乗客定員:約4000人
航路:首都圏の港を発着する周遊クルーズ
航海日数:2~4泊
料金:10万~30万円(1人あたり想定)
総投資額:約3300億円
参考船:22年にアメリカで就航した「ディズニー・ウィッシュ」
オリエンタルランドによると、ディズニークルーズの就航後は以下のような業績への貢献を目指しています。
年間売上高:約2000億円
減価償却費:年間約200億円(法定耐用年数15年)
営業利益:20%台(約400億円程度の営業利益)
前述のファンタジースプリングスへの投資額とほぼ同額で、同程度の利益の創出が見込まれ、耐用年数の15年間、毎年約400億円の営業利益を生み出し続ける(15年間累計で約6000億円)、オリエンタルランドの新しい収益基盤が誕生するわけです。
ディズニーの豊かな世界観と船上でのエンターテインメントが融合した移動型テーマパークは、まさに「移動する夢の国」と言えるでしょう。