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【精神科医が教える】初対面で受けた「違和感」はなぜ当たるのか?Photo: Adobe Stock

なぜ直感は当たるのか?

今日は「人の直感は当たる」というテーマでお話しします。直感については私自身、人間関係で考えることが多いです。

たとえば、初対面なのに「この人、なんとなく苦手だな」という違和感が芽生えたとき、その直感はだいたい当たっていることが多いんです。

じゃあ、なぜ直感が当たるのでしょうか。まず、初対面で自然と芽生えた感覚というのは、とても純粋なものなんですよね。

相手についてまだ何も知らない純粋無垢な状態だからこそ、偏見や先入観なしに相手を見られます。

直感の正体

もちろん、人によっては初対面の相手に不安感を抱きやすかったり、逆に期待を込めてポジティブに見やすかったりと、多少の個人差はありますが、それでも基本的には色眼鏡をかけずに相手を見ている状態です。

この「何も知らないからこそ見えるもの」というのが、直感の正体なんだと思います。

初対面のときに違和感を感じた場合、その違和感が後々になっても、やはり的中していたということはよくあります。

深く知るにつれて、最初に感じた違和感が「やっぱりそうだったんだ」と確信に変わることが多いわけです。

付き合いが深まると失われること

同様に、初対面で「この人いいな」と思った場合も、後々その人の魅力をさらに発見して、最初の印象がどんどん肯定されることが多いんです。

だから、最初の直感は「情報がない状態で冷静に相手を見ている」からこそ当たりやすいんです。ところが、人間関係が深まってくると、その冷静さがだんだん失われていきます。

相手が自分をよく見せようと取り繕ったり、何か失敗したあとに優しくフォローしてくれたりと、そういう行動を見ているうちに、最初に抱いた違和感が曖昧になってくるんですよね。

1周回って最初の違和感に気づく

さらに、お人好しな人ほど「相手にも事情があるかもしれない」と考えて、つい大目に見てしまうこともあるでしょう。

恋愛関係では、特にそうですよね。恋愛初期には相手を冷静に見られていたのに、関係が深まるとその冷静さを失い、逆に相手がよくわからなくなることもあります。

それでもうまくいっていればいいのですが、もし何か決定的なことが起きたときに「ああ、最初の違和感は正しかったんだ」と気づくこともあるんです。

初対面で受ける直感を大切に

こうした流れを考えると、初対面の直感が当たる理由は明らかです。いちばん冷静に相手を観察できるときだからです。逆に、関係が深まるにつれて、その冷静さはどんどん失われていきます。

直感が当たるのは、何も相手を知らないからこそ本質が見える、という単純な理由に他なりません。

みなさんも、初対面で受ける直感を大切にしてみてください。それが、後々の判断のヒントになるかもしれません。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。