日銀利上げは「3月と10月」か、値上げ・賃上げ・利上げ常態化で2025年は“普通の経済”へPhoto:PIXTA

高賃上げや価格転嫁の継続に加え
実質賃金や個人消費の増加で「好循環」拡充

 2025年の日本経済はどのような展開を見せるだろうか。

 筆者が想定するのは、日本経済が値上げ、賃上げ、利上げという「三つの上げ」の常態化とともに、デフレが警戒される経済から、いよいよ「普通の経済」に移行することだ。

 このうち値上げと賃上げは、それぞれ25年に4年目、3年目を迎える。ただし、足らざることとして、値上げと賃上げの「一体化」が挙げられる。

 つまり、企業の価格転嫁や賃上げの動きが継続する一方で、いま動き始めているデジタル投資などによる生産性向上もあって実質賃金や個人消費も増加する。それによって民間内需にけん引される景気回復、賃上げに裏付けられたインフレという景気と物価の「国産化」が実現する。

 これは、日銀がしばしば言及してきた「賃金・物価の好循環」が、より拡充された形で実現することを意味する。

 これに伴って日本銀行は政策金利を3月と10月、さらに26年3月に0.25%ずつ引き上げるだろう。