書くことはたった2つだけ
書くことはたった2つだけ。
・前日にあった「グッド」(よかったこと、感謝したこと、気づいたこと)
・今日やりたい「チャレンジ」(挑戦したいこと、変えたいこと)
難しく考える必要はありません。
「昨日はこんないいことがあった、感謝をした、こんな新しいことに気づいた」
「今日はこんなことに挑戦したい、こんなことを変えたい」
毎朝、それを書くだけでいいのです。
新しい習慣を身につけるために必要なこと
ある行動を最も無理なく続ける方法は、無意識の習慣にすること。日々の行動のうち約40%は、特に何も考えずに行っている、無意識の習慣だと言われています(*2、3)。洗面台の前に立って歯を磨く。お風呂に入って体や髪を洗う。家を出るときに鍵をかける。電車に乗ったらスマホの画面を見る。習慣は人によって違いますが、あなたも様々な行動を無意識に行っているはずです。日記もそのような習慣にしてしまえば、あとは意識しなくても続けられます。
ただ、新しい習慣を身につけるのはそれほど簡単なことではありません。イギリスの研究では、成人が新しい習慣を身につけるには、平均して66日かかることがわかっています(*4)。
毎朝1分日記はそもそもたった1分でできる行動。最初の66日間についてもつらい、面倒といった感情とはほぼ無縁です。それでも訪れるかもしれない、本当に書くのがつらいという日には「66日続ければ、あとは無意識の習慣になる」と考えてみてください。弱まったたき火に薪を加えるように、自身のモチベーションをかき立てることができるでしょう。
習慣を身につけるためのコツとは?
習慣を身につけるには、コツがあります。研究によると、同じような状況(時間、場所など)で同じ行動を繰り返すと、より習慣になりやすいことがわかっています(*5)。日記を「毎朝」つける理由の1つが、この点にあります。
先に書いたように、朝の行動は一日の中で最もルーティーン化されています。たとえば日中はその日の仕事によって行動パターンが多種多様ですし、夜は仕事関係やプライベートの会食があったり、帰宅時間がまちまちだったり、お酒を飲まれる方ならつい酔っ払ってしまったりと「いつも通り」が安定しません。友人や知人とつい長電話してしまったり、メールやSNSで延々とやりとりしたり……といったこともあるでしょう。
ルーティーンの乱れや外部からの働きかけに影響されにくく、習慣を身につけるために重要とされる「状況の安定性」を最も手に入れやすい。習慣化に最適なタイミングこそ、朝なのです。
「朝の時間をムダにする」行動のワースト1と言えるのは、「スマホやSNSをダラダラ見続けること」。
一日の中で最もルーティーン化されている習慣化しやすい朝の時間にこそ、スマホやSNSをだらだら見続けるのではなくて、奇跡が起きる日記の習慣をとりいれていただけたらと思います。
1 『習慣超大全ーースタンフォード行動デザイン研究所の自分を変える方法』BJ・フォッグ 須川 綾子 (訳) 2021 ダイヤモンド社
2 Roberto CA, Kawachi I. Behavioral ecamamies and pubtic health. Oxford, U.K.: Oxford University Press; 2015.
3 Wood W, Quinn IM, Kashy DA, mabits in everytay life: thought, emotion, and action. J Pers Soc Psychol 200283(6):1281-79.
4 Lally P, Jaarsveld CHMv, Potts HWW, Wardle J. How are habits formed: modelling habit formation in the real world. Eur J Soc Psychol. 2010;40(6):998-1009.
5 Gollwitzer PM. Implementation intentions: strong effects of simple plans. Am Psychol. 1999;54(7):493-503.