12月2日の朝にはドレーン(手術した患部から血を抜くために挿入されていた管)等の管が抜けて車椅子移動が許可された。ただし術後4~5日経つと、先述の緩和実験を試す余裕が無いくらい幻肢痛を常時感じるようになった。
常に足が痺れて怠い感覚が襲ってくるので、他の作業で気を紛らわせていないとベッドにいるのは辛い。車椅子で散歩をしたり日記を書いたりしていたけれど、3日の晩は痛みで寝られず、翌朝から神経系の薬が処方された。
出された薬は多少効き目があるのか夜は少し眠れたけど、症状自体を治すというよりも神経を落ち着かせる薬なので、幻肢痛がパッと無くなるわけじゃない。薬の有無に限らず、幻肢痛を感じなくなるのだろうから、現時点(編集部注/著者は右足切断後からインターネット上で連載を投稿し始めた)で感じていることをできるだけ記録しておきたい。
そこに足はないけど痛みを感じる
幻肢痛の3つのパターン
術後1週間経って、幻肢痛の発生場所やパターンがわかってきた。
僕の場合、幻肢痛は断端から足のラインに沿ってまっすぐの場所で起こる。途中に物体があっても関係無くその空間に痛みを感じる。
常に直線かと思っていたけれど、実は足の角度によって若干痛みを感じる空間の位置が変わっているということに気がついた。ベッドに横になった状態で断端を90度近く上に向けると痛みの位置が少し下がる。
幻肢痛のパターン(1)漠然型
・術後早い段階から続いているもので、漠然と足首があった辺りが痺れている。
・何もしていないと常時この痺れがある。
・痛みよりも痺れている感じ。
・断端面から40~50センチ程度のところに、直径20センチくらいの痺れの塊があるイメージ。明確な足の形は感じられない。
