2017年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの魔法』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。
![ありがとうの魔法](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/f/9/750/img_f9f8a43e48004ea1fcb5c26a85598dab170810.jpg)
人は「人」によって、パワーやエネルギーを与えてもらっているらしい
ある宿で、「スタミナ」「体力」「タフさ」の話になりました。
「小林さんは、タフですね」と、その宿のオーナーが言いました。
「昨夜も4時間くらいしか寝てないわけだし、その前日も3時間だというし……。そのタフさの源は何ですか?」と聞かれました(ちなみに、4時間睡眠で、もつにはもつのですが、常時、睡眠不足ですから、たまに10時間くらい寝ることもあります)。
私は、今までの研究の結果、「日・月・火・水・木・金・土」の7種が人に元気を与えるらしいという結論を得てきました。
●日=「太陽の光」
●月=「月光」
●火=「炎、燃えている火」
●水=「水」(激しく動く水ほどエネルギーが強い。滝がいちばんで、温泉もよい)
●木=「樹木、林、森の中」
●金=「ゴールド」
●土=「土」(整地より荒地。そこを裸足で歩く。砂丘や砂浜もよい)
こうした「自然」が、人に元気やパワー、エネルギーを与えているらしいのですが、最近、別の「パワーのルート」があることに気がつきました。
それは「人」です。人は「人」によってパワーやエネルギーを充電されるらしいのです。
「元気な人」「明るい人」「前向きな人」「向上心を常に持っている人」「今やっていることに自信を持っている人(しかも、うぬぼれたりせず、謙虚さを保ち続けている人)」「今まで積み重ねてきた体験をベースにした、深い魅力や奥行きが備わっている人」「ひとつのことを何年も、何十年もひたむきにやってきた人」などに会って話をうかがっていると、不思議と元気になり、何時間、何十時間、話を聞いていても疲れず、それどころか、どんどん「充電」される気がします。
「宿やお店は、もしかすると、従業員の『元気さ』がお客様を元気にしているのかもしれません。『元気』な人たちからは、『元気』をもらえるということです。逆に、投げやりで無気力な人たちには、こちらの『元気』が吸い取られてしまう気がします。あの宿に泊まると、なんとなく『元気』になるとか、あるいは、あの宿に泊まるとシュンとして『元気』が出ずに帰ってくるとか、そんなことがありそうです」
私が宿のオーナーにこのような話をすると、オーナーは真顔になりました。
「うちの従業員は80名ほどですが、そこまでは行っていません。施設や設備はある程度のものをつくったので利用者から評価されていますが、従業員の『元気さ』や『明るさ』までは考えてきませんでした。『元気』や『笑顔』が当面の課題になりそうです」
もちろん、従業員だけの問題ではありません。
従業員に「明るく、元気に振る舞うように」と呼びかけても、会社自体が楽しいもの、おもしろいものにならなければ、従業員の笑顔は実現しないでしょう。
同時に、会社が楽しく明るい雰囲気を心がけても、従業員一人ひとりが「元気」の大事さを理解し、実践しなければ、訪れたお客様をゲンナリさせ、「元気」を奪い取ってしまうでしょう。
全員一致の「方向づけ」が必要なようです。
相手に分け与えることができる「人の気のエネルギーの源」=「元」を、古くから「元気」と呼んでいたのかもしれません。