なお、フィラメント式であるハロゲン電球を、LED式に交換するキットなども販売されています。フィラメント式に合わせて設計されたヘッドライトのレンズを、LEDの光が通って前方を照らすのですから、それなりに光軸から漏れる成分も出てきます。車検では漏れた光は計測しないので、問題なしとなりますが、実走行中はまぶしい可能性があります。交換時の作業が悪かったり、LEDの設計が悪かったりすると、光軸そのものがズレることもあります。

ヘッドライトレベライザー
ドライバーが調整不足か
クルマは荷物を積んだり後席に人が乗ったりすると、前側が上を向くためヘッドライトも上向きになります。これを防止するために、ヘッドライトレベライザーというものがあり、06年以降の新型車には義務化されています。ヘッドライトレベライザーはオートとマニュアルがあり、オートの場合はクルマの状態に合わせてヘッドライトの高さを調整してくれます。一方、マニュアルの場合は自分でダイヤルを操作して調整しなくてはなりません。
マニュアルのヘッドライトレベライザーのデフォルト位置は「0」で、数が大きくなるほどヘッドライトが下を向いていきます。本来は乗員や荷物の量によってドライバーが調整するものですが、「0」位置のまま乗っているパターンもあり、ヘッドライトは上を向いていることもあります。
オートのヘッドライトレベライザーは光源の明るい(2000ルーメン以上)クルマに採用されてきましたが、新型車は27年9月1日以降の製造分、継続生産車は30年9月1日以降の製造分から、光源にかかわらず義務化されます。ヘッドライトまぶしい現象は、少しは解決するかもしれません。
もっとも、大切なのはオート機構に頼ることではなく、各ドライバーが運転の基本に立ち返ることでしょう。ハイビームで走り、必要だったらロービームに戻す……筆者が運転を始めたころは当たり前の操作でした。自動化が進めば進むほど、ヘッドライトまぶしい現象に類似する問題が起きてくると思えて仕方ありません。