ETC大規模障害に怒り心頭!NEXCO中日本が見習うべき「昭和末期の神対応」Photo:PIXTA

NEXCO中日本が見習うべき「昭和末期の神対応」

 これって、ETCのシステムがダウンした際にどのように対応すべきか、マニュアルもなかったということでしょうか? それともこの料金所では通行券を手渡し、この料金所ではそのまま通過などとパターン分けがされていたのでしょうか?

 高速道路の目的は、「時間の節約」です。利用者はそのために決して安くはない通行料金を払い、ETC車載器を購入し、場合によってはETCカードを入手するためにクレジットカードの年会費を支払っています。にもかかわらず、今回の障害では正当なサービスを受けられない利用者があふれかえることになりました。

 このような事態の際は、料金の収受よりも高速道路の利用を優先、つまり料金所を開放して無料で利用できるようにしたほうが良かったと思います。

 昭和の時代の最後、当時の天皇陛下の体調がすぐれないときに、首都高速では「乗り継ぎ券」が配られました。陛下が首都高速を利用する可能性があったので、一般車を首都高速から途中で下ろすことが想定されたのです。この際、一般車が別の料金所から流入できるように、料金を支払った際に乗り継ぎ券が配られる措置が取られたのでした。

 今回は、NEXCO中日本が高速道路をタダ乗りさせることがよっぽど嫌だったのかもしれません。が、そもそも提供すべきサービスを全く提供できずに大渋滞を引き起こす重大責任を考えるべきだったはずです。カレーライスが提供できないなどとはワケが違って、材料費などは掛からないのですから、利用者の損失を減らすことが一番だったはずではないでしょうか。

 利用者側にしてみれば、そこで使えなかった分のETC車載器代、取り付け工賃、セットアップ代、クレジットカードの年会費分などの諸費用はどうしてくれるんだ、と憤ってもいいでしょう。ETCの後付けなら取り付け時にはクルマを預けるなど、クルマが使えなくなった時間も存在します。