
ホンダのデザイン方針が
ギラギラ系→ミニマル系へシフト
4.7m級ミニバンのユーザーが重視するのはまずブランド、次いで内装の豪華さや上質感、外装の押しの強さで、走りや動力性能、燃費など、個人レベルで客観的に比較しにくい部分についてはほとんどのユーザーにとっては障壁にならない。
ホンダはあえてステップワゴンの内外装デザインを、装飾性を抑えたミニマルテイストにした。販売成果は出なかったが、全般的にとても趣味良く仕上がっているように感じられるし、トヨタ、日産との違いを出す“逆張り”自体は悪いトライではないと思う。
ホンダは2010年代にはギラギラ系デザインで押しまくり、20年の第5世代「フィット」からは一転してミニマル系へシフトしたように、正解を求めて両極端を右往左往するきらいがある。
今の販売不調をみて「やっぱりダメだった」と判断する前に、こういうミニマル、エシカル好きなユーザーがホンダ車を検討するか、そういう層とどのようにコミュニケーションを取るかといった工夫を徹底的に積み重ねていくべきだ。そういう、スズキのような粘り腰を持てれば、道が開けることもあろうと思った。
後編では燃費や先進装備などに触れ、ステップワゴンが苦戦している理由は何か、核心に迫りたい。
