ゴールデンウィークが明けて、なんとなく気分が沈んだり、「自分だけがうまくいっていない気がする」と感じる……そんな人におすすめなのが『瞬間ストレスリセット――科学的に「脳がラクになる」75の方法』(ジェニファー・L・タイツ著、久山葉子訳)だ。ごく簡単な方法で気分をよくする科学的メソッド満載の1冊。今回は本書からストレスや不安を和らげ、気持ちがラクになるヒントを一部抜粋、再編集してお届けする。

感情を秒でリセットできる方法――「氷水に顔をつける」
エネルギーが尽きたとき、パニックになりそうなとき、頭がうまく働かないとき――そんなときは、強い感情に振り回されてしまい、かえって自分を傷つける行動に出てしまうこともある。
ここで紹介する「氷水に顔をつける方法」は、そうした「極端な感情状態」から自分を素早く落ち着かせるのに効果的だ。
氷水に顔をつける3つのステップ
強い感情に圧倒されそうになると、自分を助けるどころか、傷つける結果になるような不健全な逃避をしてしまうときがある。
ここで紹介する方法は、そんなときほど大きな効果を発揮する。次の3つのステップを試してみよう。
1 氷水を準備する
大きなボウルに氷水を張る。氷はケチらないように。水は冷たいほうがいいが、10℃以下にはしない。
効果的なのは氷水だが、アイスパックや冷凍野菜の袋を使ってもいい。
2 タイマーをセットする
タイマーを30~60秒にセットする。氷水なら最初は30秒から始め、アイスパックを使う場合は60秒続ける。
3 顔を水につける
心の準備を整え、深呼吸をしてから息を止めて、こめかみまで水に顔をつけ、タイマーが鳴るまでそのままで(「もうリセットされた」と感じたり息が苦しかったりする場合には中断してもかまわない)。
「氷水」で心がリセットされる科学的な理由
顔を冷たい氷につけて酸素を遮断すると、副交感神経系の中でも主要な「迷走神経」が活性化し、心拍数が下がり、脳への血流が再分配される。
それによって自然に心身の緊張が和らぐ。
冷たい水に飛び込んだ経験がある人なら、その衝撃で思考が乱れ、気分がすっきりするのを感じたことがあるかもしれない。
もっと手軽に気持ちを落ち着かせたければ、氷をなめたり、顔にアイスローラーを転がしたりして「冷たい感覚」に意識を向けるという方法もおすすめだ。
※『瞬間ストレスリセット』では、科学的に短時間でストレスを解消できる方法を多数紹介。その場しのぎではなく、ストレスに強くなるための習慣や対策(ストレス耐性を高める方法)も幅広く取り上げています。