みなさんにはまず、孤立が最大のストレッサーであり人にはサポートが必要であることを認め、少なくとも「心をひとりぼっちにしない」と思い定めてもらいたいと思います。それが「自分にやさしくする生き方」の大前提です。

 ソーシャルサポートを私たちに与えてくれる存在を心理学では「サポート資源」と言います。孤独や孤立の問題を解消するためには、このサポート資源が不可欠です。サポート資源にはいくつか種類がありますが、ここでは3つのサポート資源を紹介しましょう。1つは「道具的サポート」です。これは、お金や必要なものを貸し与えたり、直接何かを手伝ってくれたり(例:高いところにある物を取ってもらう)する、具体的で実際的なサポートです。2つ目は「情報的サポート」です。

 これは、その人にとって必要な情報や知識を提供してくれるサポートのことです。3つ目は「心理的(情緒的)サポート」です。これは、話を聞いたり、慰めたり、励ましたり、一緒に過ごしたりするといった、心理面でのサポートのことです。

 3つのうち、どれがよいとか悪いとかといったことではなく、どれもがサポート資源としてとても重要です。

依存先を増やすことが
本当の自立につながる

 サポート資源とは、言い換えれば、「何らかの意味で依存できる資源」ということになります。

「依存」という言葉は、「アルコール依存症」や「ギャンブル依存症」などを想起させ、一般的に「よくないこと」「悪いこと」といった印象を与えるかもしれませんが、心理学的には「依存」自体に悪い意味はまったくありません。