まず知っておきたいのは、大学生の子ども(正確には19~22歳の学生などの子)を扶養する親が受ける「特定扶養控除」は、一般の扶養控除に比べ金額が大きいことだ。
◆子どもを扶養している場合に受けられる控除
特定扶養控除(19~22歳):所得税63万円、住民税45万円
一般扶養控除(16~18歳と23~69歳):所得税38万円、住民税33万円
金額が大きい特定扶養控除が受けられないと、例えば親の給与年収が800万円なら増える税金は所得税と住民税の合計で約15万円、1000万円なら約22万円だ(2025年のケース、他の扶養家族は配偶者のみ)。
税金が増える分、手取りが減少する。数十万円の税額を見ると、逃したくない控除であることが実感できる。
「150万円の壁」を超えても
すぐに扶養控除ゼロにはならないが……
特定扶養控除対象の大学生の子ども(19~22歳の学生、以下“大学生”と表記する)のアルバイト収入にまつわる今回の税制改正は、「親にかかる税金」と「子どもにかかる税金」の両面に影響がある。
まず「親にかかる税金」から見ていこう。
大学生の子どもがいて、親が「特定扶養控除」を受けるには、前述の通り、アルバイト収入の上限は昨年までは「103万円」で、今年から「150万円」に改正された。
さらに、アルバイト収入が150万円を超えたとしても、いきなり扶養控除がゼロにならないように段階的に控除を受けられる「特定親族特別控除」が新設された。
文字で読むより、図のほうが理解しやすいだろう。

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上のイメージ図は、縦軸は親が受ける控除額(所得税の場合)で、横軸は扶養する子どものアルバイト収入だ。子どもの収入が「150万円」まで親は「63万円」の控除を受けることができ、150万円を超えると階段状に控除額が減っていく。