多岐にわたる「外国人問題」
それぞれの課題が山積み

 外国人の日本での就労をサポートする企業も数多くあるが、受け入れたはいいものの適切なケアをしない・できないせいで、勤労意欲に溢れた訪日外国人が不良化するケースもある。これは受け皿(仕組み)が未整備であることに起因する。

 あるいは助成金目的での外国人の受け入れや技能実習制度を悪用する企業によって不幸な目に遭わされている訪日外国人も少なくなく、「外国人を雇ってうちで働いてもらっている」が100%の美談には到底なりにくい実情である。

 つまり、「外国人」を前にして外敵への脅威にさらされていると思っている人も多いが、悪いやつは国内の日本人にもいるので、外も内も等しく取り締まって安全を確保し、地盤がためをしていければいい。

 なにしろ「外国人問題」といっても実に多岐にわたっていて、それぞれのフェーズでそれぞれの課題が山積しているのだが、その分アプローチを各個で施していける余地はありそうだということが、すでに取り組みを頑張っている企業や自治体の背中から見えてくる。

 今月の参院選では有権者の関心は「外国人問題」にあるという報道もあり、各党も民意に沿うべく(票を得るべく)これに取り組む意欲を示している。

 急に「外国人問題」にスポットが当たったように感じるが、2018年、入管法改正をめぐって「移民受け入れ拡大政策や否や」と議論があったあたりから、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻などの影に隠れてずっとくすぶってきた積み重ねもあるので、まあそこまでの唐突感はない。

 外国人の悪いイメージが先行して誤報が出回ってギスギスするのも、こちらの受け入れ準備ができていないせいで自分と自国が搾取されるのも嫌なので、ただすべきところはただして然るべきバランスを回復して、程よく厳しくいけるのがよろしい。まずは参院選の結果を見守りたい。