この連載では、「パーソナルブランド」を構築することで、売り込まずに集客する方法について、さまざまな成功事例をもとに紹介してきました。また、パーソナルブランドは「ステップ1:差別化」「ステップ2:アウトプット」「ステップ3:貢献」の3ステップで構築可能であることを再三お伝えしてきました。

 最終回は、パーソナルブランド構築における最後のステップ【貢献】に焦点をあててご説明します。

 ステップ1の差別化を行い、ステップ2のインターネットを中心とした効果的なアウトプットで潜在顧客との接点を持つことができても、パーソナルブランドを構築することはできません。

 ここまではあくまで接点を適正に作るプロセスであり、これだけでは相手の“心を動かすこと”ができないからです。

 この人の心を動かすということができなければ、「この人でなければ」というパーソナルブランドは生まれません。一生付き合える顧客づくりにおいて、最も効果的で大切なことがステップ3の【貢献】なのです。

 今回は、この貢献のステップについて、(1)貢献の重要性(2)効果的な貢献に繋げるプロセスの2点からお話ししたいと思います。

貢献することの重要性

 最後のステップ3では、相手に対して無償で情報やサービスを提供することにより、パーソナルブランドを構築していくことを目指します。

 なぜ、相手に対して無償で何かをしてあげないといけないのか?

 なぜ、まず自分が汗をかいて動かなければならないのか?

 私が提案する貢献の捉え方というのは、「(ボランティアではなく)自らの利益を生み出すために、顧客サービスを最優先する」ということです。

 潜在顧客に対して無償で何かを提供をするということは、短期的にみれば費用と捉えられます。しかし長期的にみた時に、それが「利益を生み出す為」の投資と捉えられるものなら、それはビジネスにおける重要な貢献活動と考えられます。こうした投資は、最初は数字で表すことはできないかもしれません。しかし、信頼を構築し、強い絆で結ばれた顧客、およびその顧客からの口コミが生み出す利益は、時間が経つにつれて積み上がり、揺るぎない経営基盤を作ります。

 貢献とは、「顧客サービスと利益を引き換えにする」のではなく、「利益を生み出すために、顧客サービスを優先する」ということなのです。