65%の子どもは、現時点で存在しない職業に就く

 アメリカのデューク大学の研究者によると、
「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもの65%は、大学卒業時に、現時点では存在していない職業に就く」
 ということです。

 10年後、どのような職業が存在するかを想像するのは難しいことですが、3Dプリンターとインターネットのような組合せで、新しい仕事が限りなく広がっていくことは言うまでもありません。

 先日、起業支援のイベントを見にいったところ、発表者の大半がアプリ制作の起業家で、この分野の仕事の広がりを実感しました。需要の拡大するマーケットの技術者は、世界中からひっぱりだこですから、就職も人気企業ランキングで会社を選ぶという時代は終わり、職種で選ぶ時代に入っていくのかもしれません。

 学校教育も、インターネットで革命的に変わります。
 ネットを利用した無料配信により、ハーバード大学やスタンフォード大学など、世界の一流大学の人気授業がどこでも受けられるようになり、学校の勉強と家庭学習の役割が逆になる「反転授業」と呼ばれるスタイルも出現しています。講義は自宅で受け、学校では個別学習やグループワークを中心に行うというものです。

 知識が検索でき、授業が家で受けられる、そんな時代の学校の役割とは何なのか?
 本校はいまちょうど、校舎の新築を予定しているのですが、これまで当たり前に学校にあった黒板も図書室もHR(ホームルーム)教室も、すべてをいったんリセットし、技術の進歩と社会の変化をにらみつつ、根本的な機能に分けて必要性を見直しています。

 OECDから、2060年には日本のGDPが中国の9分の1になるとの予測も出ました。
 人口減少社会の日本には、一人の現役世代が一人の高齢者を支える時代がやってきます。
 未来社会を支える子どもたちは、いまの大人の3倍の力を発揮できるよう、一人ひとりが付加価値を高めていかなければなりません。そうしなければ社会が回らなくなってしまうのです。
 そんな社会に向け、親や教員、子どもに関わる私たち大人は、過去の経験で未来を決めつけない、広い視野と未来から逆算する視点をもつことがますます必要になるでしょう。

 次回は11月26日更新予定です。


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