修学旅行先にニュージーランドを選んだ理由
連載初回で触れたように、本校では修学旅行先にニュージーランドを選んでいます。
その理由のひとつは、女性が活躍している国だからです。
世界で初めて女性に参政権を認めた国で、旅行初年度は、立法・行政・司法という三権の長、さらに首都の知事もすべて女性でした。
現地の女性教員から、「去年は私が産休を取ったから、今年は夫が育休を取っているの。子どもが小さい時期は一瞬しかないから、子どもと一緒にすごせることをとても楽しんでいるわ」という話も聞きました。
また、当時のニュージーランド航空の日本支社長からは、「今日は自分が食事当番だからと、昼休みに夕食の買い物をしてくる男性役員がいる」という話も聞きました。
上場企業の役員比率は一方の性が40%を下回らないと決まっているノルウェーのような国もあります。
将来、生産年齢人口が5割になると言われる日本でも、女性の社会進出のためにこのような政策が採られれば、家庭でのパートナーシップのあり方にも変化が起きるはずです。
先日、40~50代で企業の管理職をしている女性5人と食事をしたのですが、そのうち4人が「キャリアアップは夫とペアで考えてきたので、自分が主に家計を支え、夫が主に家事を分担していた時期がある」と言っていました。
また、60代で活躍する女性が、「現役で働きながら、働く娘の子どもの面倒を見ている私は『ワーキング・グランドマザー』だ」とも言っていました。
これからは、夫と妻の両者で、場合によっては祖父母なども交えて、ワークライフバランスを考えていく時代になるのではないでしょうか。
そんな時代に向け、家族のあり方に対しても柔軟な考え方ができるように教育することが、将来、自分に合ったパートナーを得て、幸せな家庭を築くことにつながるのではないかと思います。