『伝え方が9割』は相手の立場に立って書かれている

佐々木『伝え方が9割』を読み込んでいただいてうれしいです。

小西 僕が本を書いたきっかけは、明らかに佐々木君の『伝え方が9割』があったからです。さっき佐々木君も言ってくれていましたけれど、感覚が似てるんですよ。ものの捉え方が似ている。
 佐々木君は形として「伝え方」を残した。僕が「伝わり方」において考えていることは「似て非なるもの」。だからやっぱり、別の形で残していかないといけないと思ったんです。こうして、本という形になれば、いろんな人たちが読んでくれて、コミュニケーションすべてがスムーズになると思いました。その部分は、佐々木君と深く話し合ったわけではないけれど、コピーライターが持っているコピーライティングの技術を使えば、人間関係はもっと円滑になるし、世の中に必要なアイディアももっと浸透しやすくなると思うんです。
 たぶん佐々木君もそう考えたと思うんですが、僕も、その思いをちゃんと本として書いた方がいいと思った。そして、たくさんの人に知って欲しかった。だから誰でも読みやすい物語で書くことにしたんです。

佐々木 そうだったんですね(笑)。

小西 佐々木君が『伝え方が9割』を出してから、少し経った頃に会ったでしょう。「僕も書こうと思ってて、すでにいろいろ書いてる」という話をした時に、佐々木君に「誰が読むのかを想像して書かれたほうがいいと思いますよ」って言ったの覚えてる?その時、佐々木君、成長したなあとしみじみ思った。すごいと思いました。
 つまりね、コピーの仕事でもそうですが、最初はちゃんと「この商品は誰かのためにある」「この文章は誰かのためにある」と思うものなんです。でも自分がやりたいことを優先しはじめると、相手のことが薄れてしまう。
 それではダメで、「相手の立場に立って考えること」が、一番大事なことなんですよ。それが源流になくてはならないことです。それを佐々木君から改めて指摘されたので、僕は自覚して「いかん、いかん」と反省しました。わかっていながらやっていても、忘れがちなんです。

佐々木 僕も忘れそうになってよく「いかん、いかん」と反省します。

小西 それで、佐々木君はその読んでもらう「相手」を「社会人3年目くらいの人」と想定していたんだよね。

佐々木 そうですね、新入社員だったり、大学生だったり、一般の人。もっと言えば広告業界の人ではない人と、設定しています。

小西 広告業界の人のために書かれてる本はたくさんありますが、そういう本は主婦や若いサラリーマンには関係のない話になっちゃうんだよね。
 でも、「伝わらないという悩みがあって、解決したい」と思ってる人たちは、実はそっちに多い。それを求めている一般の人がたくさんいるから、絶対あってしかるべき本です。その人たちのために書かれているからこそ、誰が読んでも明確で、ものすごく読みやすい。たくさんの人たちが同じように共感している理由はそこにあるんだと思いますね。


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価格:¥1,400(本体)
四六判・並製 ISBN:978-4-478-01721-0

◆佐々木圭一『伝え方が9割』

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無理なお願いも形勢不利な勝負も!伝え方で結果が変わる「超具体的な方法」が、この本にはかかれてあります。

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本体:1,400円+税 発行年2014年6月9日 四六判・並製
ISBN:978-4-88335-304-0

◆小西利行氏『伝わっているか?』

何度もデートに誘われるようになる、とっても簡単な方法とは? まったく通らなかった企画書がすんなり通るアイデアとは? コミュニケーションって難しいなと思う人のほとんどは伝えようとして失敗します。伝えるのではなく、伝わる。言葉を変えるだけで仕事が、恋愛が、毎日が劇的に変わる目からウロコのメソッド満載。スラスラ読めて、深く納得できるまったく新しい学べるエンターテインメントです。

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「伝え方が9割」バックナンバー

第1回 無理めな、あの人に デートOKをもらうコトバとは??

第2回 チカン多発地域!ある看板をつけたら チカンが発生しなくなった、そのコトバとは??

第3回 困った自転車放置!ある看板をつけたら放置がなくなる、そのコトバとは?

第4回 子どもが言っても勉強しない!言い方を変えたら、勉強をはじめたそのコトバとは?

第5回 いままで伝えることが苦手だった人のほうが、この方法で劇的に人生が変わる【本田直之×佐々木圭一】(前編)

第6回 伝える技術って、相手のことを想像する技術でもあるんです。【本田直之×佐々木圭一】(後編)

第7回 「相手のことを想像して伝える」それが、この本に書いてあるすべて【姜尚中×佐々木圭一】(前編)

第8回「心」という小説を書くことで、亡くなった息子に近づきたかった【姜尚中×佐々木圭一】(後編)

第9回 なぜDJポリスの伝え方が、群集を動かしたのか?そこに使われていた「伝え方のレシピ」。

第10回 DJポリスが伝え方で使った「チームワーク化」。これを使えば動かない人も動く。

第11回 実は隠れコンセプトは「相手のことを想像する技術」【元スターバックスコーヒージャパンCEO・岩田松雄×コピーライター・佐々木圭一】(前編)

第12回 上司は、自分が上司にやっていることを部下にも同じように求める【元スターバックスコーヒージャパンCEO・岩田松雄×コピーライター・佐々木圭一】(後編)

第13回 伝え方を身につけたら、日本企業は強くなる【サイバーエージェント藤田晋×佐々木圭一】(前編)

第14回 技術者こそ、伝え方の技術を学べばいい【サイバーエージェント藤田晋×佐々木圭一】(後編)

第15回 自分を世の中にどう伝えていくかが重要なこと、みんな肌で感じ始めてきてる【しずる村上×佐々木圭一】(前編)

第16回 世の中のいい言葉には、法則がある【しずる村上×佐々木圭一】(後編)

第17回 伝え方で勝利!オリンピック東京招致プレゼン

第18回 2013年は、話しベタ日本人の「伝え方元年」

第19回 「あ、これは本物の本だな」と思ったんです【佐々木圭一×鈴木おさむ】(前編)

第20回 ほんのちょっとのサービス精神が、奇跡を生んだりする【佐々木圭一×鈴木おさむ】(後編)

第21回 【第1回】就活も、伝え方が9割 編
面接官のことを想像する

第22回 「小林さんが憲法を読んで伝えるというのは、まさに伝え方のギャップ法ですね」【小林麻耶×佐々木圭一】(前編)

第23回 「学べば“強い言葉”は誰でも作れます」【佐々木圭一×小林麻耶】(後編)