成果と行動量を視覚化する
和田 「月間計画表」においては、数字を絵で見る提案もしています。たとえば、ターゲットが「○」で、契約が決まったら「○」を赤く塗って「●」にする。決まらなかったら「○」のままにしておきます。あるいは、黒いフラッグ「▲」は実際に会ったけど契約できなかった人の意味。赤いフラッグ「▲」は契約をしてくれた人という感じで、結果だけではなく、プロセスも記載するようにします。すると、部下を評価するときに、結果だけでなく、行動量などのプロセスもうかがい知ることができます。
佐々木 なんだかボウリングのスコア表みたいにも見えますね。「部門でまとめて手帳を活用するといいよ」ということですね。
和田 そうですね。仮に2週間数字がゼロだったとしても、7人のお客様に会っていたとしたら、「行動量は下がっていない」とジャッジすることもできます。すると、会えてはいるのだから、「プレゼンテーションを見直しましょう」、なんて具体的な対策が打てますね。
佐々木 おもしろいなあ。
和田 佐々木さんは手帳を使わないのですか?
佐々木 いまは使わないですね。以前はアイデア帳とスケジュール帳の両方を持ち歩いていました。でもそうすると重いので、いつのまにかアイデア帳だけ持つようになって、スケジュールは市販されているリフィル用のカレンダーをホッチキスでとめて使っていました。
和田 それ、今も保管してありますか? 佐々木さんのアイデア帳が見た~い!
佐々木 いいですよ。(アイデア帳を取り出す)たとえばこれは何年前のだろう……1998年だから、入社2年目のやつだ。
和田 すごい! 「ブタ貯金箱 貯まったらエステに使う ブタとおさらば」って書いてある。うまい!
佐々木 なかなかいいですよね。
和田 アイデアは、100個思いついたとしたらいくつ実現するものですか?
佐々木 1個とか2個かなあ。このときは、若手のコピーライターだったので、とにかく量を出して、上司に見せては、けちょんけちょんにされるというのがお決まりのパターンでした(笑)。
和田 今もアイデア帳を使っていますか?
佐々木 いいえ。持ち歩くと重いので、そのときに用意された資料とか適当なコピー用紙に書いて、写メして、「仕事」というフォルダに入れています。ただあんまり見返さないですよね。
和田 なぜ? 書くこと自体のプロセスになにか意味があるのですか……?
佐々木 いいえ。たとえば和田さんの営業手帳のコピーを書くとすると、コピーを書いて提出して決定されれば、それでビジネスは完了です。
和田 でも、それじゃもったいない気もするけれど。それとも言葉の表現ってトレンドで変わるから使えないとか?
佐々木 確かに表現は変わりますね。ただ、過去のものは「資産として使いたかったら使う」でいいと思います。僕の仕事はアイデアを生み出すことですから、とにかくアウトプットしまくるのが基本かな。
和田 はぁ……クリエイティブな人って本当にすごいですよね。感心しちゃいます。
※次回配信予定は7月30日(木)です