経営に苦しむ企業に元気と利益をもたらす“儲けのエキスパート”がいます。
日本経営教育研究所の代表で、新著『絶対儲かる「値上げ」の仕組み、教えます』で披露した驚きの経営手法が話題となっている石原明さん。
一方、わかりやすいストーリー仕立ての『400円のマグカップで4000万円のモノを売る方法 儲けの仕組みが簡単にわかる!』が初の著作であり、経営者に向けたビジネスモデル塾が好評のCARITY代表の髙井洋子さん。
昔から知り合いだったというお二人が奇しくも同じ時期に書籍を発売、お互いすぐに重版が決まるなど快調に売れているベストセラー著者として、今回、本の制作の裏話などを語ってもらう第二回目です。(取材・文・構成/佐藤祥子、撮影/宇佐見利明)
リアルな成功例を追って、
出版までに2年以上かかった(石原)
石原 前回お話しいただいた髙井さんの著書は実在の人物をモデルにしたということですが、僕の書いた『絶対儲かる「値上げ」の仕組み、教えます』も実際に効果が表れたケースをできる限りたくさん紹介したいと考えました。やはり説明だけでは説得力が出ませんので、半分以上のページ数を事例に割いて、非常にリアルな内容になっています。
もちろん取り上げた事例はすべて実際にコンサルし、値上げによって業績を回復させた実在の会社です。僕が最初にアドバイスするのは、何もしないで値段だけ上げることなので、その気になれば経営者がスグに値上げをして利益を上げることができる本なんです。
髙井 値段を上げるだけ、ってすごいですね。
石原 はい、そうでしょう(笑)。 ただ、値下げの事例ならば、「こんなに安い!」というようにメディア受けするので問題はないのですが、値上げして成功した会社の事例は紹介しにくいですし、会社側にとっても手の内を知られたくないということがありますので、所在地や取扱商品などは特定できないよう変更して紹介しました。
日本経営教育研究所代表
僖績経営理舎株式会社代表取締役
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「高収益トップ3%倶楽部」には、全国延べ4500社が参加。2万人の読者を抱えるメールマガジン『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。毎週金曜日に配信する人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数2200万回を超えている。 著書に、『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かる仕組み』(KADOKAWA)などがある。
髙井 石原さんの本はノウハウが事例とともにぎっしり詰まっていて、非常に分かりやすくて読み応えがあります。本を手に取れば知識が身に付き、実際行動に移せば経営が好転し、いろいろな意味で儲けさせてくれますね。
石原 この本を読んだ人が実行に移すまで誘導する、これが今回非常にやりたかったことなんです。本書を書くにあたっては、顧問先の会社に値上げのノウハウを実践してもらい、実際に成果が出るところまで追いかけて最終的に完成させました。ですから本を出すまでに2年かかりましたね。これまでに数冊の本を書きましたが、こういうやり方をしたのは初めてなので特別な思いがあります。
髙井 私の場合は、CARITYを創業した頃に本を出すことを考えたんです。でも前回にお話したように、本を出す目的はひとりでも多くの方に儲ける仕組みを知ってもらうことです。本を読んで何かに気づき、行動を起こしてほしい。それにはまず私たちが運営しているビジネスモデル塾の塾生さんたちをもっとたくさん育てていくことが先かな、と。
実際、ビジネスモデル塾はかなり高額なセミナーなんですが、今ではのべ500社以上が参加するまでに成長しています。そして創業4年目となる今、満を持して本を出すことができてとても嬉しく思っています。
石原 つまり髙井さんにはものすごい数のファンがいらっしゃるということですね。
髙井 ということにしておいてください(笑)