「ライフハッカー[日本版]」「NewsWeek日本版」などのニュースサイトに、月60本近くのブックレビュー記事を寄稿し、年間700冊以上の読書量を誇る人気書評家の印南敦史氏。そんな多読生活を送る彼も、数年前までは「1ページ5分」かかるほどの超・遅読家だったという。
遅読にもかかわらず、毎日1本の書評を書くことになった彼がつかんだ、新時代の読書術「フロー・リーディング」とは? 最新刊『遅読家のための読書術』の内容をベースに、「読書スピードの遅さ」や「読書量の減少」に悩む人たちにお届けする。
かつてはかなり本を読んでいたのに、最近めっきり本が読めなくなったという人もいる。それはスマホなどでウェブニュースやSNSを見るようになって、「情報洪水」に脳が疲れきっているからだ。しかし、いまさらウェブを見ないわけにはいかない。そんなとき、どうすればいいのか? ヒントは「呼吸」にあるという。
「吸う・読むだけ」は息苦しくてあたり前
僕たち生き物は「呼吸」をしています。
空気中にある酸素を取り入れ、同時に、体内にたまった二酸化炭素を排出する。生きている限り、「吸う」と「吐く」を繰り返しており、一説によると、人間は一生のうちに6~7億回の呼吸をするともいわれているそうです。
もし延々と息を吸い続けたり、吐き続けたりしたら、苦しくなってしまいます。つまり、「吸う」というプロセスがあるから、「吐く」。「吐く」という行為が行われるから、また再び「吸う」。この両者がそろって初めて、呼吸のリズムが成立しているわけです。
わかりきったことではありますが、これってなかなか重要なことだと思いませんか?