ダニエル・ピンク(『モチベーション3.0』)、ティム・ブラウン(IDEO社長兼CEO)、アダム・グラント(『GIVE&TAKE』)絶賛!さらに、NYタイムズ、ブルームバーグ・ビジネスウィーク、パブリッシャーズ・ウィークリー他、全米各紙誌で絶賛された世界的ベスト セラー『Q思考――シンプルな問いで本質をつかむ思考法』
グーグル、IDEO、ネットフリックス、パタゴニアなど、世界で最も革新的な企業で次々と爆発的な発想を生み続けている「驚愕の思考法」とは?

毎晩の「コレ」を始めると、人生のすべてがうまく回りだす

 イノベーターはまわりの世界を見回す際、何が欠けているのかを探すことが多い。けれども、自らの人生について問うときは、「鑑賞的探求」〔対象の価値を認めたうえで疑問を抱く方法〕の視点から、そこに何が「ない」かだけでなく、そこに何が「ある」のかを探すことも重要だ。

 鑑賞的探求が前提としている主な条件は、「ポジティブな疑問」だ。問題や欠点ばかりに焦点を当てるのでなく、強みや資産に注目すると効果的な結果が出やすい。

 強みに立脚するとは、日々の暮らしの中でうまく機能していることに着目し、それに頼り、そこから多くのものを得ようとすることだ。これが重要なのは、自問自答を続けていくと、ともすると不満や後悔、無力感にとらわれがちになるからだ。

なぜ、自分にはもっとお金が、もっと良い仕事がないのだろう。もっと多くの友人がいないのだろう……」といった具合だ。足りないものや欠けているものは進歩や改善の機会にもなり得るが、このような問いは悲観的な感情を生みやすい。

「人は希望があると感じ、環境が味方してくれていると実感できるときに積極的な行動を取ることが多い」と、鑑賞的探求の生みの親であるデイビッド・クーパーライダーは指摘している。

 幸福に関する研究者で、ハーバード大学で教鞭を執ったタル・ベン・シャハーは、「感謝の習慣をつけることが重要」だと考えている。ベン・シャハーによると、毎日、一日の終わりに「自分は何に感謝できるだろう?」と考え、その答えを「感謝ノート」に書き記すと、それだけで人は「幸せな気持ち、楽観的な気持ちになり、何事もうまくいきやすく、目標を達成しやすくなる」。