「子どものころ何が好きだったか」がヒントになる
ベリックは生活を変えるために、「これまで自分にプラスに働いてきたものは何だろう? どうすればそれをもっといまの生活に取り入れられるだろう?」と考えた。鑑賞的探求は、いまの強みに立脚するのが普通だが、ときには過去を振り返ることによって、現在と将来の生活をどう改善できそうかを考えてみてもいいかもしれない。
『人生は「幸せ計画」でうまくいく!』の著者グレッチェン・ルービンとライフコーチのエリック・メイゼルは二人とも、「子どものころに大好きだったものは何だろう?」といった疑問を考えてみることを提案している。
「6歳とか8歳のときに夢中だったものは、おそらくいまでも好きなものです」とメイゼルは言う。そして子どものころを振り返ってどんな活動が好きだったか、何に興味を持っていたかのリストをつくり、「それらがいまも心に響くかどうかを確認します。これは自分の持っていた愛情を更新するプロセスです。子どものころは、いまは存在していない、あるいはいまの生活には何の意味も持たないものを大好きだったかもしれません。けれどもその新しいバージョンを見つけられるかもしれません」。
もちろん子ども時代に限定する必要はない。ベリックは青春時代を振り返って、友人たちと楽しむサーフィンの重要性を再発見した。また、もっと最近の、映画の取材旅行で出会った「コミュニティ」の感覚にも触発された。
ジャクリーン・ノボグラッツはこの発想に独自の解釈を加えた。それは次の質問に要約される。
「自分が最も美しいと感じるとき、あなたは何をしていますか?」
アキュメン・ファンドで出張をするとき、彼女はこの質問にはあまりそぐわない状況でこれを尋ねることがある。「私は、ボンベイのスラム街に住む女性たちにこの質問をぶつけました」
最初のころは、うまくいかなかった。「『私たちの生活に美しいものなんて何もないよ』と言われました。けれども、庭師として働いていた別の女性がついにこう言ってくれました。『冬のあいだはずっと汗水たらして働いてるけど、ここの花が地面一杯に咲き誇るときは、美しいと感じるわ』」
ノボグラッツは主張する。「自分が輝き、最も生き生きと感じる時間と場所と活動について考えることは重要です。私にはありとあらゆる答えが思い浮かびます。課題に取り組んでいるとき、何かをつくっているとき、だれかとつながっているとき、そして旅をしているときなど」
それは何でもいいのだと、ノボグラッツは言う。「ただそれが何かということを確認して、大切に思うこと。そしてもしできれば、同じことをもっとできる方法を見つけだす必要があります」