日々の経理に欠かせない会計ソフト。現在、ネット上で使うクラウド会計ソフトが台頭してきました。
経理を自分で行う「ひとり社長」の場合、どのソフトがいいのでしょうか。
「経費」から「決算」まで、必要な知識が全部わかると評判の『新版 ひとり社長の経理の基本』の発行を記念して、「社長とマイナンバー」を語ってもらおう。
クラウド会計ソフトの
4つの特徴とは?
会計ソフトには、従来のインストール型会計ソフト(PCにインストールして使う)と、ネット上で使うクラウド会計ソフトがあります。
クラウド会計ソフトが、従来の会計ソフトと違うのは次の4点です。
(1)OS、端末を選ばない
ネット上のサービスですので、OSを選びません。会計ソフトは、Windowsでなければ使えないものがほとんどですが、これはMacでも使えます。また、自宅のPC、スマートフォン、タブレットなどからもアクセスできます。
Windowsで考えた場合、OSのバージョンアップ(WindowsXP⇒7⇒8⇒10)があるのですが、従来の会計ソフトはこの対応に遅れ気味です。しかし、ネット上のサービスであるクラウド会計ソフトならその心配はありません(使用環境によって、対応度合いが異なる可能性はあります)。
(2)ネットバンクのデータを自動取込できる
ネットバンクやクレジットカードのデータを自動で取り込むことができます。これをうまく使うと、証拠を集めたり、記録するのが自動的に終わるのです。ただし、細かい設定は必要です。
(3)複数ユーザーで使える
端末を選ばないことに加えて、複数のユーザーで使えます。例えば会社のPC、自宅のPCでそれぞれログインできるわけです。従来の会計ソフトで同じようなことをしようとすると、値段が跳ね上がります。それどころか複数のPCにインストールすることもできないソフトも多いです。PCを買い替えたり、PCが壊れたりしたときに非常に困ります。
不正コピーもあるのでライセンス管理を厳しくする考えはわかるのですが、時代に逆行しているともいえるでしょう。
(4)随時バージョンアップで月額課金
会計ソフトにはバージョンアップ費用がかかります。ただ、これといって変わっていないのに毎年3万円近くとられることが多いのです。また、バージョンアップしないと特定の機能が使えないこともあります。
税法の改正がなければ、本来は毎年アップデートする必要はありません。しかし、平成31年10月に予定されている消費税法改正(8%⇒10%)があるため、アップデートせざるをえません。クラウド会計ソフトはネット上のサービスですので随時バージョンアップされます。
バージョンアップ費用がかからない代わりに、月額(年額)課金制です。クラウド会計ソフトには、主なものとして次の3つがあります。『freee』『MFクラウド会計』『弥生会計オンライン』。それぞれ見ていきましょう。