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「金利差」や「物価差」は為替の重要な変動要因だが、足元は米国の3月の緊急利下げにより日米欧の主要3通貨では金利差がほぼ消滅。経済の落ち込みでインフレ率が低下して、物価差もなくなりつつある。特集『夏だ!スキルだ!3日で絶対習得シリーズ2020』(全30回)の「為替その2」ではアフターコロナの為替のニューノーマル(新常態)を解説する。

アフターコロナの為替の新常態
金利差&物価差も消滅

 円安や円高になる理由を正しく説明できるだろうか。為替相場には金融市場の出来事だけでなく、政治など世界中で起きていることが凝縮されている。FX(外国為替証拠金取引)や外国株など外貨投資をするかどうかは別にしても、ビジネスマンであれば為替の値動きを知ることは、日々の仕事に役立つはずだ。

 みずほ銀行のチーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏とソニーフィナンシャルホールディングスの執行役員の尾河眞樹氏に、アフターコロナの「金利差なき為替相場」の見方を聞いた。

 本特集「為替その1」の『為替相場を動かす「金利・需給・物価」の影響が短期と長期で異なる理由』で、為替の変動要因として「金利差」や「物価」が重要だと解説した。だがコロナ後は、日米欧の主要3通貨では「金利差」がなくなっている。

 アフターコロナの為替のニューノーマル(新常態)をどう読み解けばいいのだろうか。