社外取「欺瞞のバブル」9400人の全序列#2Photo:JIJI,Takashi Aoyama/gettyimages

「ゴーン事件」から4年。日産自動車は、ゴーン政権下で機能不全に陥っていたガバナンスの立て直しに迫られてきた。ところが、主役となるべきはずの社外取締役の言動から浮かび上がるのは、自己保身や“お友達”関係重視の姿勢である。およそ3週間にわたり公開予定の特集『社外取「欺瞞のバブル」 9400人の全序列』の#2では、日産の復活を妨げる社外取「3人組」の実名とともに、お手盛り、いや、“害悪”とすらいえる行状を明らかにしていく。(経済ジャーナリスト 井上久男)

ゴーン事件は「身から出たさび」
ガバナンス改革妨げる“3人組”とは

 日産の社会的評価が落ちたのは身から出たさび――。

 東京地方裁判所の下津健司裁判長は今年3月3日、日産自動車のカルロス・ゴーン元会長らによる金融商品取締法違反事件(有価証券報告書への報酬額虚偽記載)の判決公判で、「ゴーン事件」をこう総括した。

 共犯に問われた同社元代表取締役のグレッグ・ケリー氏に対して懲役6カ月(執行猶予3年、求刑は懲役2年)の有罪判決。法人としての日産にも求刑通り罰金2億円が言い渡された。

 ゴーン氏は国外逃亡して国際指名手配中ではあるものの、報酬隠しの主犯はゴーン氏であることも認定。東京地裁は、ゴーン氏の身勝手な犯行を許した原因は日産のコーポレートガバナンスの機能不全にあるとして、「身から出たさび」といった厳しい表現を使ったのだ。

 企業におけるガバナンス機能を担っているのが取締役会。下津裁判長の指摘は、日産の取締役会に対し、ゴーン氏と側近の暴走を許した大きな責任があったと言っているに等しい。

 裁判所から厳しい指摘を受ける前に日産は、ゴーン氏が経営トップだった時代とはガバナンスの仕組みを大きく変え、2019年6月の株主総会後に指名委員会等設置会社に移行している。

 現在は取締役12人のうち7人を社外から選任。経営の執行を外部の視点により監督強化していく体制にしている。

 では、今の日産のガバナンスは完全なのかといえば、決してそうではない。実は、ガバナンス改革の主役ともなるべき社外取締役にこそ課題が潜んでいる。

 その中心が、社外取「3人組」だ。日産の信用リスクを度外視して、自己保身を優先するなど日産の復活を阻むような言動が目立っている。

 いつ、何をしたのか。お手盛りガバナンスの3人組の実名に加え、“害悪”とすらいえる具体的な行状を基に明かしていく。読めば、世間をなめているとの批判を受けても仕方ないと分かるだろう。