社外取「欺瞞のバブル」9400人の全序列#7Photo:123RF

社外取締役は株主総会で選任される必要がある。およそ3週間にわたり公開予定の特集『社外取「欺瞞のバブル」9400人の全序列』の#7では、その選任議案で反対が多かった社外取ワースト50を紹介する。メガバンクの三井住友フィナンシャルグループの首脳や三菱UFGフィナンシャル・グループの元首脳といった大物がまさかの上位に名を連ねた。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

賛成率80%未満で「問題社外取」
メガバンク首脳がまさかの上位入り

 株主総会は、会社の経営方針を決める最高決議機関である。取締役が再任されるには、株主総会において選任議案の賛成票を50%以上集める必要がある。もちろん社外取締役も同様で、50%未満なら再任されない。

 ただし、50%を超えさえすれば問題なしとも言い切れない。というのも、英国では20%以上の反対があると対応策の説明などが求められる。つまり株主からの信任という意味では、再任で80%以上の賛成率を確保できるかが一つの目安になるのだ。

 ダイヤモンド編集部は、企業統治コンサルティングのプロネッドが集計したデータを基に、株主総会「不信任」社外取ワーストランキングを作成した。今回取り上げる社外取は50人で、不信任の割合が高い順に並んでいる。いずれの人物も選任議案の賛成率が80%を下回った。

 経営が大混乱に陥った東芝のほか、大株主が会社側の選任議案に反対した企業の社外取が、予想通りワースト10に入った。

 特筆すべきは、メガバンクである三井住友フィナンシャルグループ(FG)の首脳や三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の元首脳といった大物が、まさかの上位に名を連ねたことだ。さらに、日本を代表する小売り大手や大手電機メーカーの首脳もランクインしている。実は、大物経営者が反対票を多く集めたのは偶然ではなく、共通する大きな理由がある。

 それでは、株主の再任反対が多かった社外取の実名を確認していこう。