受験生1000人超の入試は数少ない
2021年入試は、コロナ禍にもかかわらず前年並みの受験生が参加し、特に中位校では人気の入試が多く見られた。これは合格率80%を示す「四谷大塚合不合80偏差値」で偏差値40台後半の入試が多かったことからもうかがえる。22年に向けて、軒並み上方修正され、中堅校の仲間入りしていることについては以前の連載で記した通りである。
7月8日発売のダイヤモンド・セレクト2021年8月号「本当に子どもの力を伸ばす学校」では、「偏差値だけでは分からないコロナ時代の志望校選び」を特集している。それに関連して、前回は情報教育、前々回は国際教育について触れた。
今回は、本当に人気のある学校(入試)について考えてみよう。「4万人の選択 その時受験生はどの学校にいたのか」と題した図を先に触れた特集中で掲載しているが、そのうちの上位10校をここでは取り上げたい。これは2月1日午前(東京・神奈川)の受験生数学校別ランキングに基づく。複数の入試がこの時間帯で設定されている場合にはそれらの受験者数を合算してある。要は、2月1日朝、受験生が実際にどの学校にいたのかを調べたものだとご理解いただきたい。
一般に、偏差値の高い学校ほど多くの受験生が集まる。難関校の中には1回の入試で1000人以上の受験生を集めてしまうところもある。受験生を数百人集めるために毎回、相当苦労を重ねている中堅・中位校の募集担当者からすれば、これは夢のような話でもある。
ではさっそく、受験者数上位の学校を見ていこう。圧倒的に男女別学校が多い。その中で1校だけ、元男子校の共学校がランクインしているのが際立つ。次ページに2021年のベスト10を2021年の受験者数と2018年からの順位とともに載せた。