
上久保誠人
第131回
この連載では、日英の金融政策、財政政策、構造改革を何度も比較してきた。それらの論考を振り返りながら、「政策をバランスよく進める」の解釈が、日英で実は真逆であることを示したい。

第130回
衆参同日選断行の観測は、ここにきて遠のいているようだ。だが、筆者はそれでも衆参同日選を断行したほうがいいのではないかと考える。それは、「2019年7月までの、3年間の選挙のない期間」が得られるからである。

第129回
消費増税に先送り論が浮上しているが、今こそ我々は将来世代に負担を先送りしない覚悟をし、財政再建・社会保障の充実を断行すべきだ。そのためには、特定の人だけが受益するのではなく、全国民一律の行政サービス確立が必要だ。

第128回
「保育園落ちた日本死ね!!!」という匿名ブログが話題だ。待機児童問題が遅々として解決しない理由の1つである「幼保一元化」が進まないことに焦点を当て、制度的な問題で政治がリーダーシップを発揮できない現状を指摘したい。

第127回
広島県府中町で、中学3年の男子生徒が、万引きの非行歴があるという誤った情報が記載された資料に基づいて進路指導を受けた後、自殺した。事件の背景には、生徒が高校を受験できるか否かを、中学校が事実上決定してきたという問題がある。

第126回
民主と維新の新党が「野合批判」を乗り越えて、従来と違うイメージを打ち出すには、若者に対して「増大する社会保障費をカバーするために増税を行う。財政赤字をこれ以上増やさない。将来世代に負担を先送りしない」という強いメッセージを出すことが必要だ。

第125回
シャープの経営再建で、産業革新機構による業界再編案は「国家による斜陽産業の延命による、産業構造改革の先送り」だ。一方、鴻海によるシャープの買収案は、これから始まる日本経済の大変革の最初の一歩だと考える。

第124回
安倍首相が「安全保障は国全体が決める」と言うのならば、本稿は普天間飛行場を沖縄県外へ移設させるべきだと、改めて主張したい。そして、安倍首相の地元である「米軍岩国飛行場」への移設を、この問題を劇的に解決させる秘策として実現すべきだと考える。

第123回
慰安婦問題の日韓合意に関して、日本のメディアが「少女像移転が10億円拠出の前提」と報道したことで韓国で反発が広がり、朴槿恵大統領は合意と韓国世論との間で板挟みになっている。今回は、日本からは少女像撤去を要求することはせず、静観してもいいのではないかと論じたい。

第122回
安倍政権は、野党がやるべき政策を奪ってしまった。このまま7月の参院選に突入すれば、野党は共産党を除き、壊滅的惨敗を喫することになるだろう。民主・維新らはここからどのような取り組みをすべきか。

第121回
安倍政権の積極的な経済政策の陰で気になるのは、「最強の官庁」財務省の存在感が希薄なことだ。今こそ財務省は、耳が痛い「財政健全化」をしつこく言い続けて、政治家、他省庁、業界、メディアから批判される「悪役」に徹するべきである。

第120回
急拡大する中国に、日本はどう対応すべきか。地政学的に考えると、日本など海洋国家(シーパワー)の戦略は、大陸国家(ランドパワー)の拡大を抑止するために、大陸の周縁に位置する「リムランド」を取り込むことである。

第119回
民主党と維新の党が共に解党し、自民党に対抗できる勢力の結集を図る「野党再編」の動きが顕在化してきた。民主党の前原誠司元外相と細野豪志政調会長が、維新の党の江田憲司前代表と会談し、「年内に両党を解党して新党を立ち上げるべき」との考えで一致したのだ。

第118回
シリア難民問題で本質的に重要なこととは、「人々は誰でも、自由民主主義が定着し、生命の安全、人権が守られて、雇用が確保される社会を望む」ということだ。つまり本質的解決にはシリア社会の自由民主主義化が必要不可欠で、日本は中東での産業育成を通じた自由民主主義化で貢献すべきだ。

第117回
安保法制が成立した後、安倍晋三政権は予想通り、「経済政策」に集中する方針を打ち出した。今回は、安倍政権と英国のキャメロン政権が、それぞれ総選挙に勝利した後の経済財政政策を比較したい。

第116回
9月に雨傘革命から1年後の香港中文大学を訪問。中心メンバーだった学生と、その運動を支えた大学教授に話を聞き、「学生運動」が成功するための条件を考えた。

第115回
安保法案が参院で可決、成立した。筆者は安倍晋三政権による安保法制成立に反対の立場だが、それでも現在の議会多数派が提案した法律なのだ。国会で成立しなかったらおかしな話だ。

第115回
安保法案が参院で可決、成立した。筆者は安倍晋三政権による安保法制成立に反対の立場だが、それでも現在の議会多数派が提案した法律なのだ。国会で成立しなかったらおかしな話だ。

第114回
8月下旬、ロシア共和国サハリン州を訪問した。共同研究プロジェクト開始のための協議が目的だが、今回の訪問では、いわゆる「計画経済」の考え方に驚かされることばかりだった。

第113回
人工知能や再生医療が発達する未来はバラ色の社会として語られがちだ。しかし、大量失業者の発生、格差の超拡大によって、経済政策、産業政策、社会保障・福祉政策、教育政策など、すべての政策について、従来の常識が通用しない社会が出現する懸念がある。
