
岸 博幸
第238回
今年の夏は猛暑や異常気象ばかりが目立った感がありますが、同時に安倍政権の問題点が2つ明確になったように思えます。それは、危機感の低下と、痛みを伴う政策への消極的な姿勢です。

第237回
世界的に3Dプリンターがブームになって2年くらいが経ちましたが、実際には3Dプリンターだけではものづくりの革新は困難です。そうしたなか、ようやく既存のモノから三次元設計データを複製する廉価な3Dスキャナーがついに登場しました。

第236回
米国の主要都市の1つであるデトロイト市が財政破綻を宣言してから1ヵ月が経ちました。デトロイトと同様に破綻の危機に瀕する自治体が多い日本としては、デトロイトから学ぶべき点が多いのではないでしょうか。

第235回
参院選が自民党の大勝で終わり、安倍政権が長期安定政権となることが確実になりました。そんな中、参院選からまだそんなに時間が経っていないというのに、さっそく政府の官僚の側の緩みが目立ってきたように思えます。

第234回
アベノミクスの正否が参院選の論点となりつつある感があります。アベノミクスの大胆な金融緩和というマクロ政策は評価すべきですが、改革を進めているかという観点からは、様々な綻びが目立ちます。今回はその典型例を2つ紹介します。

第233回
先週、今週と株主総会まっ盛りでしたが、CDが売れない時代にエイベックス・グループが創業以来の最高益を達成したことがネット上などで話題になりました。では、いま多くの人が学ぶべきエイベックス決算の教訓とは一体なにでしょうか。

第232回
14日、安倍政権の“成長戦略”が閣議決定されます。最大の問題点は改革的な政策が少なく、成長の道筋をイメージできない点です。つまり、今回の“成長戦略”は志が低く野心的ではないのです。それを象徴するのが、移民政策でしょう。

第231回
最近アベノミクスへの批判が増えています。株価が下がり出したら「やっぱりアベノミクスはダメではないか」といった批判が出始め、アベノミクス3本目の矢“成長戦略”の中身への批判も強まり出しています。それでは「アベノミクスは失敗」なのでしょうか。

第230回
政府の肝いりで設立された出版デジタル機構が、電子出版の取次大手ビットウェイを買収しました。それを大きく報道した5月30日の日経の記事を読むと、電子出版の普及に向けた前向きな動きのように見えますが、事実は正反対ではないでしょうか。

第229回
政府は成長戦略の取りまとめに入り、今週開催された産業競争力会議では、関連する会議などでの検討状況が報告されました。その中で「クールジャパン戦略」についても報告されていますが、その内容はあまりにひど過ぎると言わざるを得ません。

第228回
米国ヘッジファンドのサード・ポイントがソニーにエンターテイメント部門の分離と上場という大胆な提案をしたことが話題となっています。今回のサード・ポイントのアクションには2つの重要なインプリケーションが含まれているように思えます。

第227回
サーベラスの西武HD株へのTOBの期限(5月17日)がいよいよ迫って来ましたが、最近関係者の間に出回っているペーパーを見ると、改めて今回のサーベラスのTOBについて様々な疑問を感じざるを得ません。

第226回
政府はアベノミクスの3本目の矢である成長戦略の策定に向けて精力的な議論を続けていますが、どうも議論がいかにも役人的な方向になっているように感じられます。その典型は、成長戦略の重要な柱となるべきIT戦略ではないでしょうか。

第225回
4月17日に開催された政府の産業競争力会議で、「アベノミクス戦略特区」の創設に向けての検討開始が決定しました。今後、安倍政権の経済運営の試金石となると思われますが、実はその内容については新聞が2つの誤った報道をしています。

第224回
政府の産業競争力会議で“解雇規制の緩和”が議論されて以来、この問題について間違った認識や偏った批判が横行しています。“金銭解雇を容認”という報道や、民主党議員が国“金銭解雇を認めるのはけしからん”と叫んだりしていますが、これには明らかに誤解があります。

第223回
3月28日に官邸でIT戦略本部が開催され、6月の成長戦略に取り込むべく新たなIT戦略を5月に策定することが決まりました。そこで配布された資料を見ると、政府はIT分野での流行に悪乗りしているように見えます。

第222回
今の日本には二羽のハゲタカが巣食っています。しかも本音のスケベ心、つまり鋭い爪を一生懸命隠しながら生息しているのですから、一層タチが悪いと言わざるを得ません。その二羽のハゲタカとは、サーベラスと消費者庁です。

第221回
あるテレビ番組で野球解説者の赤星憲広さんとご一緒する機会があったので、「WBCで日本代表が負けた原因は何か?」を聞いてみました。赤星さんが指摘したポイントの1つは、多くの日本企業の不振の原因と同じだと思わざるを得ませんでした。

第220回
上場目前まで再建を進めてきた西武HDと最大株主の米国ファンド・サーベラスとの対立が大きく報じられています。サーベラスがTOBで株を買い増し、重要決議事項を拒否できる1/3以上の持ち株比率を確保し、西武への影響力を高めようというのです。

第219回
政府の産業競争力会議では今週、“産業の新陳代謝の促進”というテーマについての議論が行われましたが、このテーマを考えるに当たって格好の材料となるニュースがありました。米国投資ファンドのサーベラスによる西武HDの株買い増しです。
