
渡部 幹
企業存続の危機に瀕している東芝は、多くの企業のマネジメント層に「わが社は大丈夫か?」と疑念を抱かせている。問題や不正の隠蔽など、間違った意思決定をしないためには、何が重要なのか。心理学的に見てみよう。

どの会社にも必ずある「暗黙の了解」。上司はこれを部下に求め、要求を守れば評価を上げたり、昇進させるなどの報酬を口約束したりする。しかし、しばしばこの約束は破られ、部下のモチベーションを下げることになる。今回は、組織に存在する、この「暗黙の了解」を考察する。

ノー残業デーを設けたり、社内強制消灯をするなど、残業削減に取り組む企業が増えている。しかし多くの場合、“隠れ残業”が増えているだけ。日本企業の取り組みには、いったい何が足りないのだろうか?

かつてナチスドイツから迫害を受け、国民の「自由」に敏感なはずのフランスの大統領選挙で、極右候補・ルペン氏が決選投票に勝ち進んだ。なぜ「危険思想を持つ」と危惧される指導者が、かくも支持されるのだろうか?

実際の罪状の冷静な検証なしに、朴前大統領を引きずり下ろした韓国や、検証結果を待たずにアサド政権が化学兵器を使用したと断定し、シリアにミサイルを打ち込んだアメリカ。これらの事例に共通するのは、「感情的正義」の恐ろしさだ。

籠池氏の証人喚問での発言と、安倍首相の言い分が真っ向から食い違い、混迷状態が続く森友学園問題。誰かが嘘をついているのだろうが、こうした嘘を見抜くすべはあるのか。心理学や脳科学で「嘘」をどのように研究しているのかをご紹介する。

第71回
団塊の世代が元気で、それ以下の世代や、さらに若い世代に元気がないのはなぜか。経済的なゆとりが違うのはもちろんだが、実は心理的な不安が関係している。それは有名な「マズローの欲求階層論」を使えばよくわかる。

第70回
マレーシアの若者たちが起業したベンチャーが、世界的に注目を集めている。単なるリサイクルを超えた「アップサイクル」を志向する彼らのアイデアの斬新さ、そして幸せな働き方をご紹介しよう。

第69回
いきなり幸福の科学に出家し、芸能界を引退すると発表した清水富美加。さまざまな憶測が乱れ飛んでいるが、人材マネジメントの視点から見ると、電通女子社員の過労自殺と共通する、マネジメントの失敗が垣間見える。

最初は問題がなかったのに、年月が経つに連れて職場はブラック化していく。古くは松下幸之助が指摘し、学者の研究でも明らかになった傾向だ。特に日本は文化的にブラック化しやすい。それを防ぐにはどうしたらいいのだろうか?

第67回
SNSは匿名性が高いため本音が吐かれやすく、「炎上」が起きやすい。だが中にはトランプ氏のように、匿名ではないにもかかわらずSNSで炎上を繰り返す場合もある。何がそうさせるのだろうか。その背景にある心理バイアスについて解説しよう。

第66回
行き過ぎた残業による過労死の問題がクローズアップされているが、残業時間そのものだけを考えても解決にはならない。むしろ、人間関係などから生み出されるストレスこそが、人の心身を蝕むからだ。こうしたストレスに対して、どう立ち向かえば良いのだろうか?

第65回
ある外資系企業の研究所に赴任した新任所長が、たった2年で研究所を機能不全に陥れた。頭も良く、物腰も柔らかい所長なのに、「他人の気持ちが分からない」ことが決定打となって組織を崩壊に導いてしまったのだ。

第64回
映画「ファンタスティック・ビースト」の公開を受けて、日本人のアマチュアイラストレーターが描いた1枚の絵が、英国人原作者の目に止まり、世界中から賞賛を浴びた。日本人からすればありきたりな絵、しかし、外国人が感激するという構図は、「ガラパゴス」日本にはまだまだ、さまざまな可能性があるということを思い出させてくれる。

第63回
米大統領選で「クリントン氏圧勝」を予測していた「選挙予測の神様」がいた。統計学を駆使し、過去の選挙ではおおむね予測を当ててきた「神様」が、今回の選挙で外した理由はどこにあったのだろうか?

第62回
今、世界で注目されている「マインドフルネス」。禅やヨガの実践を通じて、自分の身体や心の隅々にまで意識を行き渡らせることで、ストレスや疲労を減らす取り組みだ。これは、個々人にとって有効なのはもちろんだが、組織全体への応用もできそうだ。

第61回
「勝ち組中の勝ち組」とも言える電通女性社員の過労自殺は、日本中のビジネスパーソンに衝撃を与えた。有名企業だから、給料がいいから、という理由だけで会社を選んでも仕事の本当の楽しみは味わえない。一体、どんな働き方が「幸せ」と言えるのだろうか?

第60回
学期末、学校から一方的に評価をされた通信簿をもらう日本の通常の学校に対して、「国際バカロレアプログラム」を採用している学校は、まるで企業の人事評価のようなプロセスを採用している。その特徴の1つは「自己評価」。こうしたトレーニングが、人材育成には欠かせないものだ。

第59回
日本に遅れること2ヵ月、マレーシアでも公開された『シン・ゴジラ』。大迫力のゴジラもさることながら、右往左往する国家の意思決定プロセスや、放射能の恐ろしさを描いた秀作だ。しかし、どうも外国人の心にはイマイチ響いていないようだ。その理由はどこにあるのだろうか?

第58回
教育費高騰が激しく、富裕層であっても夫婦共働きが当たり前なマレーシア。かの国では今、平日は子どもを他人に預けっぱなしにする育児スタイルが流行している。極めて合理的にも見えるこのシステムだが、子どもの生育はどのような影響を及ぼすのだろうか?
