
渡部 幹
第57回
今年前半にヒットしたディズニーアニメ「ズートピア」。たかがアニメだとあなどるなかれ、楽しいだけでなく、現代社会に根深く潜む差別の構図について、非常に鋭く描き出している秀作だ。社会心理学の視点から見てみよう。

第56回
とうとうSMAPの解散が決定した。メンバーの内紛やマネージャーと事務所の確執など、「戦犯探し」とも言うべき記事がたくさん出ているが、組織論の観点から見ればむしろ、25年間もメンバー入れ替えなしで存続できた、驚くべき優良組織であったと言えるだろう。

第55回
今年夏に公開予定の「ファインディング・ドリー」は、ピクサーのこれまでの作品に違わず、完成度が高い。21年間、ヒット作品を作り続けるピクサーは、優秀な特定のクリエイターに依存していない。驚くべき組織力を持つピクサーの秘密を解説する。

第54回
世界中で大ヒットし、任天堂の株価を爆上げさせたゲームアプリ「ポケモンGO」。もうすぐ日本でもリリースされるこのゲーム、驚くなかれ、精神疾患をわずらう患者たちに、思いも寄らぬ治療効果をもたらしている。

第53回
世界的に大きなニュースとなった、イギリスのEU離脱。イギリスの未来を大きく左右する大決断だが、心理学的に見ると、非常に危ういとも言える状況で決められていた。

第52回
日本人のあらゆる年代で、うつや不安障害などの精神障害が増えている。かつて機能していた「籍を置く場所」がもたらす安心がバブル崩壊後、急速に失われたことが大きく関係しているのではないだろうか。

グローバル化社会では「お互いの異質性をどう理解し、乗り越えるか」が求められる。しかし、日本では「波風を立てない」コミュニケーションが求められることが多い。この違いはどこから来るのだろうか?

第50回
「ただ乗り者への罰システム」がない限り、組織におけるフリーライダー発生は避けられないとするのが学問的定説。しかし、世界を見渡せば、徹底した性善説なのにフリーライダーがあまりいない組織もある。その秘密はどこにあるのだろうか?

第49回
日本のおもてなしは世界一。そう考える日本人は多いが、実際には必ずしもそうとは限らない。外国人の求めるおもてなしと、日本人の好むそれが噛み合ないことがあるからだ。

第48回
ここ数年、マレーシアで日本人の「母子留学」がブームとなり、それに伴って質の悪いエージェントに騙されるケースも出てきた。そもそも英語さえできればグローバル人材、という考え方は間違っている。いま一度、本当に何を求めているのか、冷静に見直すべきだ。

第47回
中国人の爆買い現象を見るまでもなく、日本製品の質の良さにあこがれてファンになる外国人は数多い。しかし物価の安い国々では、日本製品は値段が高く、さらに宗教的理由もあって、なかなか購買に結びつかない。価格に躊躇する消費者心理を突破するためには、どんな仕掛けが有効だろうか?

第46回
「ルールを守りましょう」「協力しましょう」などと訴えて企業や社会が変わるなら、人間は苦労しない。正論よりも強力で、かつスムーズに人の心を変えてしまう、ほんの少しの「仕掛け」をご紹介しよう。

第45回
アメリカ式の利益至上主義は行き詰まって久しい。研究者の中には、かつてのホンダなどで顕著に見られた日本式コミュニティ経営を見直す流れも出ているが、肝心の日本企業自身も、日本式がうまくいかずに苦しんでいる。一体何が原因なのだろうか。

第44回
相手と意見が異なるとき、人はいとも簡単にケンカをしてしまうか、さもなくば相手の言いなりになってお茶を濁す。そのどちらにも陥らずに、いかに相手と発展性のある対話をするか。そのためのコミュニケーション術は、明日からでも実践できる。

第43回
NHKの大河ドラマ『真田丸』が好評だ。優れた戦国武将たちが、どのように意思決定を行っているのかが克明に描写されている。中でも「ヘタレ」として描かれる徳川家康と、「天才」真田昌幸の戦法からは、ビジネスパーソンも多いに学ぶべきところがある。

第42回
「テロリストは残虐非道な極悪人」――誰しもが同意しそうなことが、実際には事実とは反していることがある。なぜ人は、他人について簡単に「決めつけ」るのか。そこには人間心理に潜むトリックがある。

第41回
日本企業に頑固に巣食う「ダメ上司」。彼らの生態を明らかにして攻略法を見つけなければ、部下たちは単に食いつぶされてしまう。

第40回
多くの研究では、人間のヤル気を出させるには金銭報酬が一番、という結果が出ている。しかし最近、金銭報酬を上回る効果を持つものがある、との脳科学実験が発表された。

第39回
英語ができないからという理由で、海外で働くことを尻込みしてしまう人は多い。しかし、英語力は本当に大きなハンデなのか。「とにかく下手な英語」で筆者を驚かせた、マレーシア在住の日本人凄腕営業マンの例をご紹介する。

第38回
自分が御しやすい人間ばかりを採用する一方、自分よりもデキる人間は巧妙に排除する。会社にはしばしば、そんな困った権力者がいる。ボスになりたいのに、実力が伴わない彼らの起こすトラブルは深刻だ。
