2011.11.2
小春日和、季節の変わり目に注意を!サンクスギビングデイ頃から市場の関心は再び米国へ――高田創・みずほ総合研究所チーフエコノミスト
足もとの金融市場は、それまでの混乱から「温かさ」を迎えているが、それは春の訪れを示す兆しなのか、それとも単なる冬の前の小春日和・インディアンサマーなのか。年末から来年にかけて、市場関係者が最も期待できる市場はどこだろうか。
第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト
くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。
2011.11.2
足もとの金融市場は、それまでの混乱から「温かさ」を迎えているが、それは春の訪れを示す兆しなのか、それとも単なる冬の前の小春日和・インディアンサマーなのか。年末から来年にかけて、市場関係者が最も期待できる市場はどこだろうか。
2011.10.19
震災後に想定以上のスピードで回復し、「大きなV」を描いてきた日本経済は、これから民間主導の復旧が一服し、「小さなV」に向かうだろう。ただし、それは景気後退にはつながらない。背景にある復旧・復興対策の効果を詳しく分析しよう。
2011.10.12
中国の名目GDPは、2016年までに2010年の2倍に拡大する見通しだ。そうなった場合、日本経済にはどういった影響が及ぶのだろうか。見通しによると、実は製造業だけでなく、「非製造業」にとっても想像以上のチャンスが舞い込む可能性がある。
2011.10.5
9月後半、米国の10年金利は1.8%台の水準に低下した。この水準は大恐慌の後の状況を引きずった1950年前後の水準、つまり約60年ぶりの水準だ。誰も経験したことのない「未体験ゾーン」に突入したグローバル金利は、下期にどう動くのか。
2011.9.21
欧米経済に暗雲が漂うなか、「日本化」(Japanization)という表現が市場やメディアをにぎわせている。日本化とは、いったいどんな現像なのか。日本の実体経済、財政、金融などの象徴的な側面を通じて、「日本化」の行き着く先を分析しよう。
2011.9.14
国民が豊かさを取り戻すためには、雇用拡大・賃金上昇が最重要の課題である。しかしエコノミストは、景気分析で生産、輸出、収益ばかりに関心を注いでいる。実は、製造業の生産拡大と雇用拡大はイコールではない。それを証明してみよう。
2011.9.7
海外のメディアで急速に「Japanisation」(日本化現象)という概念が話題になった。頻度は、金融緩和への期待感が強まった昨年以上の状況だ。欧米経済は、本当に「日本化現象」をたどるのだろうか。何より、新内閣の政治手腕に注目が集まる。
2011.8.31
金融市場のパニックはようやく収まりつつあり、景気腰折れのリスクは限定的となっている。日本については、野田新総理の政策に注目が集まる。新内閣への期待で、9月末にかけて株価は上昇し、債券市場では利益確定売りが先行し易いだろう。
2011.8.24
筆者の景気に対するメインシナリオは、「2012年4~6月期に向けて、巡航速度を超える回復が続く」というものだ。むろん、こうしたシナリオには多くの不確実性が伴うが、それでも景気の回復が続くと見る理由を、多角的に分析してみよう。
2011.8.10
S&Pが米国債を格下げし、米国債は史上初めて最上位のAAAを喪失した。その波紋は予想以上に大きく、米国発の信用不安は世界の金融市場を揺るがしている。このままドルの凋落は止まらないのか。米国債格下げは「終わりの始まり」なのか。
2011.8.3
日本の銀行は、毎年8月頃から下期に向けて年度当初の計画修正を行ない、有価証券運用に比重をかけることを繰り返してきた。それは南極で氷を売り続けたようなものだった。その背景を踏まえ、現在の銀行が置かれた運用環境を考えてみよう。
2011.7.27
世界経済の中心である米国は、リーーマンショック後の景気回復と財政再建の二兎を追い、非正統的な金融緩和を続けた結果、深刻な「悪性インフレ」を台頭させることとなった。今後の焦点は、議論が紛糾している財政赤字問題の行方となる。
2011.7.20
消費者物価指数(CPI)が前年比プラスに転じている。CPIの変動は、生活コストや社会保障制度に大きな影響を与えるため、無視できない要素だ。景気循環だけではなく、政策・制度面に目を配ると、無視できない「CPI撹乱要因」が目に付く。
2011.7.13
「国勢調査」の詳細データを調べると、意外な働き方の素顔が見えてくる。少子高齢化が原因で、年々「技能職」の労働者数が増えていることだ。それは、役職と賃金の絞り込みという「ホワイトカラー冬の時代」を如実に物語っている。
2011.7.6
昨今の金利動向については、これまで「緊急避難的な金利低下」と議論してきた。しかし4-6月期を締めくくり、「緊急避難」を一時的とするに止まらず、低金利状況の長期化を改めて意識した面が強まっている。その背景には何があるのか。
2011.6.29
東日本大震災後の日本をはじめ、今後各国の景気指標は徐々に持ち直すだろう。しかし懸念材料は、一次産品の需給逼迫が川上から川下へと波及する「悪性インフレ」の足音が、聞こえ始めていることだ。金融市場はどう動くだろうか。
2011.6.22
東日本大震災以降、住宅投資は意外と底堅く推移している。今後も震災の影響を注視することは重要だが、他にも3つの「2008年問題」がじわじわと具体的に住宅市場に影響し始めたことも無視できない。3つの「2008年問題」を分析してみよう。
2011.6.15
サラリーマンの「マイホームへの夢」が崩れ去ろうとしている。持ち家率のピークアウトと空家率の増加が顕著になっているのだ。背景には、住宅資産がうまく活かされていない事情がある。これは、震災後の住宅政策にも関わってくる問題だ。
2011.6.8
米国のバランスシート調整の重さは、「Japanisation」(日本化現象)と呼ばれることがある。筆者が今年5月にニューヨークを訪問した際に行なった海外投資家との意見交換会では、「Japanisation」の症状が各所に残存することを確認した。
2011.6.1
各国の長期債利回りは軒並み節目とされる水準に低下し、攻防戦を続けた後、局所的に突破を始めた。債券市場の「壁」は破られる宿命にあるのか。日本で国債増発が検討されるなか、市場のターニング・ポイントを考えてみよう。
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