
2013.9.4
賃金上昇のタイミングを左右する「ダム論」~ 「損益分岐点売上高比率」が鍵 ~――森田京平・バークレイズ証券チーフエコノミスト
7月分CPIは、コアが2ヵ月連続で前年比プラスとなった。こうしたなか、デフレ脱却の論点として、物価上昇の一方でそれに負けないスピードで賃金が上昇するかが注目されている。これを考える上で最も重要なのが、4~6月期の「法人企業統計」だ。
野村証券金融経済研究所チーフエコノミスト
もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総合研究所入社。英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所を経て、バークレイズ証券(2008~2017年)およびクレディ・アグリコル証券(2017~2022年)にてチーフエコノミスト。2022年7月より現職。2000年米ブラウン大学より修士号(経済学)、2018年九州大学より博士号(経済学)を取得。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)、『現代金融論 新版』(有斐閣)など。
2013.9.4
7月分CPIは、コアが2ヵ月連続で前年比プラスとなった。こうしたなか、デフレ脱却の論点として、物価上昇の一方でそれに負けないスピードで賃金が上昇するかが注目されている。これを考える上で最も重要なのが、4~6月期の「法人企業統計」だ。
2013.8.28
消費税率の引き上げで景気が腰折れする懸念が募っている。だが、家計金融資産のストック増加は、アベノミクスが始まって以降、増税分の何倍もの恩恵をもたらしている。ならば、増税で景気が腰折れし株価上昇の前提が失われることはないのか。
2013.8.7
日銀の「量的・質的金融緩和」により、金融政策と国債管理政策の境界が溶け始めている。政府・日銀は「財政ファイナンス」を否定しているが、財政との関連で何らかの問題に直面するとすれば、最終段階(出口)となるだろう。
2013.7.31
最近、安倍首相の消費税に関する発言が目立っている。経済指標を見ながら、慎重に判断しようという構えである。もし首相が消費税率引上げの先送りを決定するのならば、それは円高と株安を誘発する危ない判断に見える。その理由を説明しよう。
2013.7.24
海外投資家の各国首脳への信頼感は、日本が主要国のなかで最も高い水準にある。参院選で日本の政治のねじれも解消し、海外から見た日本の政治の安定感への認識は、日本で感じる以上に強い。再び“Japan as No.1”の時代がやって来るのか。
2013.7.10
参院選の結果は成長戦略のあり方を左右するだけに、市場の注目度も高い。安倍内閣は圧倒的な高支持率で勝つことができるか。筆者の「選挙予測方程式」を基に分析し、併せて高齢者ほど1票の価値が高まる「シルバーデモクラシー」の課題に言及する。
2013.7.3
政府が6月に発表した成長戦略は盛りだくさんの内容だが、国民にとって縁遠いものもある。経済成長の源泉はイノベーションだ。国民に身近なイノベーションとして案外面白そうなのが、インターネットの医薬品販売と自動車の自動運転実用化だ。
2013.6.26
リーマンショック以降、米欧日の3局が同時に大幅なバランスシート調整を迎えたことは戦後初であり、大恐慌不安も募った。実は、その危機を救った来たのが成長著しい新興国だった。その新興国に、米国の出口戦略観測によって変化が生じている。
2013.6.12
ゼロ金利解除時に使われた「ダム論」に立てば、ダムを超えて川が下流に流れるように、企業の利益が家計に分配され始めるのはいつか。「ダムの水量」(企業の利益)、「ダムの高さ」(損益分岐点売上高比率)、「ダムの水圧」(設備投資)を分析する…
2013.6.5
日本株の激震が始まって、まだその行方を見定められない。こにきてその動きは、アジア、欧州へと広がっている。実は、今回の相場変動はかなり広範囲で起きている。マネー変調の予兆は、「炭鉱のカナリア」と言われた金価格の下落に見られた。
2013.5.29
異次元の金融緩和により、現在の国債相場は、国債管理政策が新たな次元で強化される管理相場の局面になったと考える。これは、米国の大恐慌時の「ペギング」の発想に類似している。「出口」を模索する金融機関、政府、日銀の課題は何だろうか。
2013.5.15
円安・株高傾向が続き、生産活動の出遅れ感がある製造業にも、これからプラスの影響が現れそうだ。しかし、北東アジアに目を向けると、日本経済の立ち位置の後退を示唆する材料が見える。市場が高揚するなかでも危機感を忘れるべきではない。
2013.5.8
黒田総裁は、出口論について質問されたとき、「議論するのはまだ早い」とはぐらかす。筆者は、こうした姿勢には隠れた重大なリスクがあると考える。 問題の本質は、インフレ目標に対して失敗する場合ではなく、逆に金融緩和が成功したときの出口だ…
2013.4.24
革命的な金融政策が行われるなか、国債などの債券を運用の「おコメ」に例えると、その長短金利差は過去最低水準の「極めて薄い味」だ。今後投資家や企業は、栄養確保のために、外債、株式、不動産などの「おかず」も重視する必要がある。
2013.4.10
日銀は強烈なサプライズを与える追加緩和に打って出た。今後、アベノミクスの焦点はQQE(量的・質的金融緩和)を主役とする「第1幕」から、成長戦略を主役とする「第2幕」に移る。ここで焦点になるのが、労働市場の流動性向上だ。
2013.4.3
デフレ脱却を急ぐために、日銀は2年以内に2%の消費者物価上昇を目指すという。しかし、2%の消費者物価上昇率を達成すれば、デフレを脱却できるのだろうか。単に消費者物価を上げるのならば、消費税率を引き上げればよい。
2013.3.27
2009年半ば以降日本株だけが出遅れ、「失われた3年」の状況にあった。第二期安倍政権は、そこからの脱却に止まらず、1990年代以降初めて「失われた20年」からの転換も視野にできる状況にある。安倍政権が「持っている」のは何故か。
2013.3.6
日銀新総裁の題は、いつ、どの程度の追加緩和を行うかである。ベースマネーの増減に強く影響するのが、市中金融機関が日銀に預ける超過準備預金だ。この準備金には、前回の量的緩和と現行の包括的な金融緩和の間で顕著な違いがある。
2013.2.27
孫のために高齢者が使う金額は、年間約1.6兆円。孫への利他的消費を増やすよう支援すれば、景気刺激効果は大きい。2013年の税制改正大綱には、孫への教育資金の贈与を非課税にする案が盛り込まれた。これは素晴らしい仕組みなのか。
2013.2.20
アベノミクスへの期待から、円安・株高が続いている。当面は、3月の期末までに株式市場と為替市場における「失われた3年」を取り戻す動きが、日本の市場の最大のテーマとなる。今まさに、マインド改善の絶好のチャンスが訪れているのだ。
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