
2014.10.8
「円安批判」への批判――熊野英生・第一生命経済研究所経済調査部 首席エコノミスト
足もとで進む円安に対して、企業経営者などから批判的な意見が数多く述べられるようになった。筆者は、マクロ経済が正常化していく過程で円安のモメンタムが止まってしまうことは、マイナスだと思う。改めて円安のメリット・デメリットを考えよう。
野村証券金融経済研究所チーフエコノミスト
もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総合研究所入社。英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所を経て、バークレイズ証券(2008~2017年)およびクレディ・アグリコル証券(2017~2022年)にてチーフエコノミスト。2022年7月より現職。2000年米ブラウン大学より修士号(経済学)、2018年九州大学より博士号(経済学)を取得。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)、『現代金融論 新版』(有斐閣)など。
2014.10.8
足もとで進む円安に対して、企業経営者などから批判的な意見が数多く述べられるようになった。筆者は、マクロ経済が正常化していく過程で円安のモメンタムが止まってしまうことは、マイナスだと思う。改めて円安のメリット・デメリットを考えよう。
2014.10.1
景気は本当にいいのか、それとも悪いのか――。足もとの景気局面は、アベノミクスが始まった2012年末以来の景気循環のなかで、初めて不安が生じた局面でもある。現状は、2013年以降、脱「失われた20年」とした転換の潮流にあると筆者は思う。
2014.9.17
日銀には、「物価の安定」を通じて「国民経済の健全な発展に資する」という2重の理念がある。だが、日本経済に潜在成長率の低さという実質概念上の問題が存在するなか、名目の理念である物価安定目標を達成することに、整合性はあるだろうか。
2014.9.10
値上げラッシュのなか、肝心要の賃金上昇は6月になってようやく上昇開始が確認されるようになった。ただし、勤労者が極めて多い事業所規模5~29人の中小企業では、賃金上昇率がわずかに止まる。その背景には、社会保険料負担の「影」が見える。
2014.9.3
8月半ばに各国の長期金利は、各地で節目となる水準を割った。日本では国債が低金利で買えないと言われながらも思いのほか金利が低下したが、欧州の状況はこれと類似する。国債を「コメ」とすれば、日本から見て欧州はまだ主食代替に見えやすい。
2014.8.20
米国カンザスシティ連銀は、ジャクソンホールでの年次経済シンポジウムの総合テーマを、「労働市場の力学の再評価」と発表した。現在の景気動向を見るにつけ、もし日本にもジャクソンホールがあったら、テーマはやはり労働市場の力学となりそうだ。
2014.8.6
消費税率が上がって4ヵ月が過ぎ、増税のダメージは想定の範囲内に見える一方、明確に景気が浮揚したという実感は乏しい。このような経済環境では、消費税反対論が再び勢いを増す可能性があるが、筆者は財政再建のために増税は不可欠だと考える。
2014.7.30
今日、金融危機が収拾に向かい、市場変動が低下し、再び2000年代半ばの「グレートモデレーション」に戻りつつあるのでは、との見方が台頭している。果たして、それは本当だろうか。筆者は、金融の長期安定に伴う慢心には常に留意が必要だと思う。
2014.7.16
筆者は日銀の金融政策について、「追加緩和なし」をメインシナリオと見ている。その背景には、物価安定目標の実現に対する日銀の強い確信、まだ視野に入らない潜在成長率の上昇、法定準備金積み増し方針などがある。その論拠を具体的に説明しよう。
2014.7.10
ダウ株価は雇用統計の発表後、1万7000ドル台をつけ、リーマンショック前のピーク水準を抜いた。しかし、その勢いは続かずに一旦は下落する展開になっている。超金融緩和によるバブル懸念も広まるなか、今後の米国経済と株価の行方はどうなるか。
2014.7.2
欧州では、大幅に拡大した10年物国債の利回り格差が、2012年以降急速に縮小した。急速な信用スプレッドの収縮で、欧州危機への意識は市場ではほとんど話題にならないくらいになった。とはいえ、その背景には抜本的な解決策の実現があったのか。
2014.6.18
安倍政権は今月末ごろに「新成長戦略」と「骨太の方針」を閣議決定する見通しだ。市場参加者の注目点はいくつかあるが、最も大きいのは「法人税」だろう。法人税を、税率の引き下げ幅、税率の引き下げスピード、課税対象の拡大、という3つの視点か…
2014.6.11
6月初旬、社会保障審議会年金部会が「平成26年財政検証」を発表した。私たちの年金の将来像が複数のシナリオとして掲示されているが、非常に楽観的と言わざるを得ない。その中身を検証しながら、「老後も働き続ける社会」の行方を分析する。
2014.6.4
2013年以降、米国中心のグローバル金融市場において、グレートローテーションと言われる債券から株式への転換が注目された。だが足もとは、従来の転換点とは異なる、株高と債券市場のほどよい按配、「ゴルディロックス」との見方が根強い。
2014.5.21
川下物価の消費者物価指数と川下物価の企業物価指数が、大幅に乖離している。日銀は追加緩和をせざるを得ないだろう。だが財務の健全性の面から、日銀は無限に緩和を続けられない。彼らにとって自己資本は、どれくらい重要な意味を持つのか。
2014.5.15
先日発表された総務省『経済センサス』では、新設事業所の付加価値の創出状況が初めてわかった。それを基に分析したところ、名目GDP成長率の高さと事業所の付加価値の増加には相関関係が見て取れる。新陳代謝は日本経済成長のエネルギーなのだ。
2014.5.7
日銀の異次元金融緩和は、半ば管理相場化された国債市場をつくり上げた。金融機関にとって国債投資は主食の「おコメ」のようなものであり、ボラティリティの低下で何とか妙味は保たれている。だがそれは、今や人工的に変質した「官製味付け」だ。
2014.4.16
4月1日の消費税増税後の物価動向を探るうえで、「東大日次物価指数」は有用な手がかりとなる。消費税増税の影響を覗いて算出されるので、前年同日比の物価自体の変化がわかる。それによると、消費増税以上に商品の売値が上がっている日が増えている…
2014.4.9
結局、消費税増税の反動減は心配していたよりも小さかったのではないか。ただ筆者の関心は、もっと先の経済情勢だ。もしも反動減が大したダメージでなければ、2014年後半~2015年の成長力はどのくらいになりそうか。キーワードは「不足」である。
2014.4.2
悪天候による米国経済の失速、新興国不安などにより、政界経済には先行き不安が生じた。足もとで米国経済不安は収拾に向かうと見られるが、中国などのテール・リスクは残る。世界経済の「シートベルト着用サイン」は消えるだろうか。
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