2021.4.13
“新しい戦争”を勝ち抜くためにアメリカは「反緊縮」へと大転換した
バイデン政権が前代未聞の巨額財政出動に動いている。3月12日に200兆円規模の「大型追加経済対策」を成立させたうえに、3月31日には、さらに200兆円超を投じる「成長戦略」も発表。直近まで支配的だった緊縮財政から、一気に積極財政へと舵を切ろう…
評論家
1971年、神奈川県生まれ。元・京都大学大学院工学研究科准教授。専門は政治経済思想。1996年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。2000年よりエディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。2001年に同大学院より優等修士号、05年に博士号を取得。2003年、論文 'Theorising Economic Nationalism'(Nations & Nationalism)でNations & Nationalism Essay Prizeを受賞。主な著書に山本七平賞奨励賞を受賞した『日本思想史新論』(ちくま新書)、『TPP亡国論』(集英社新書)、『富国と強兵』(東洋経済新報社)、『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』(KKベストセラーズ)など。
2021.4.13
バイデン政権が前代未聞の巨額財政出動に動いている。3月12日に200兆円規模の「大型追加経済対策」を成立させたうえに、3月31日には、さらに200兆円超を投じる「成長戦略」も発表。直近まで支配的だった緊縮財政から、一気に積極財政へと舵を切ろう…
2021.3.18
アメリカのバイデン政権は3月12日、巨額の「財政赤字」を計上する200兆円規模の追加経済対策を成立させた。さらに、それにとどまらず、インフラ投資などに重点を置いた第二弾の経済対策によって、長期的な経済成長を目指す計画だという。この政策を…
2021.2.4
アメリカは、かつてのグローバル覇権を失い、中国の脅威に晒されている。そんななか成立したバイデン政権は、アメリカをどこに導こうとしているのか? それを探るうえで、注目されるのが、大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に登用されたジェイ…
2020.12.8
11月24日の日中外相共同記者会見における王毅外相の「尖閣諸島」に関する発言と、その場で反論しなかった茂木外相に対する強い批判が巻き起こったのは当然のことだった。しかし、問題の本質はそこにはない。直視しなければならないのは、中国が爆発…
2020.8.4
「コロナ禍」は収束の目処が立たないばかりか、戦後最悪と言われる世界的な大不況をもたらしている。恐るべき不況に陥っていることを示す経済指標は、これから次々と明らかになるだろう。そんななか、景気対策として、ドイツ、イギリス、ベルギーな…
2020.6.11
コロナの感染防止で国民の合理的判断に行動を委ね経済活動を規制しない「集団免疫」戦略は、その理論の非現実性ゆえに失敗した。それは、90年代以降、支配思想だった新自由主義の終焉を暗示する。
2020.5.19
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は抑制されつつあり、感染第二波も見据えた慎重な「出口戦略」が模索されているが、世界恐慌以来最悪と言われる「コロナ恐慌」が本格化するのはこれからだ。しかも、「恐慌第一波」が回復したあとに襲来する「恐…
2020.5.9
コロナ危機によって、多くの企業、特に中小企業が倒産や廃業の危機にさらされるなか、「これを機に、ゾンビ企業は市場から退場させ、新時代を創造する」といった声が上がり始めている。しかし、この「ゾンビ企業」論は、コロナ危機で窮地に立たされ…
2020.4.15
「国家」から目をそらすと、「資本主義」を正しく理解することができない。中野剛志氏はそう指摘する。ヨーロッパ各国が戦争を繰り返すなかで、試行錯誤をするうちに、知らず知らずのうちに、貨幣制度も中央銀行も資本主義も、そして国家すらも生み…
2020.4.14
主流派経済学は、「現実世界」とはかけ離れた理論体系をつくり上げてきたために、「現実の経済で起きている現象」を正しく説明することができなくなっている。むしろ、主流派経済学から「異端」とみなされてきた、ケインズやハイマン・ミンスキーら…
2020.4.13
アメリカの覇権パワーが凋落し、世界経済が縮小へと向かうなか、日本がたしかな国家戦略を立案するためには、「経済力と政治力・軍事力との間の密接不可分な関係を解明する社会科学」の確立が欠かせない……。その問題意識のもと中野剛志氏は、『富…
2020.4.12
「いま世界は極めて危険な状態にある」と中野剛志氏は指摘する。アメリカの覇権パワーが衰退するとともに、リーマンショック以降、世界経済は停滞に向かっていたうえに、コロナ禍で世界経済は大恐慌以来の景気悪化になると予測されているからだ。に…
2020.4.11
アメリカの覇権パワーが音を立てて崩れるなか、2000年代以降、日中の軍事力の格差は、飛躍的に拡大した。戦争を避けるためには、このような勢力不均衡をつくってはならなかったと中野剛志氏は指摘する。しかし、いまの日本では、財政担当は国防より…
2020.4.10
「グローバル化」はとっくに終わっている――。アメリカがグローバル覇権国家でなくなった現代において、グローバル化が終焉を迎えるのは当然の帰結。「グローバル化は不可逆の流れ」などと考えるのは、むしろ危険だと中野剛志氏は話す。いま世界の…
2020.4.9
MMTによれば、デフレである限り財政支出に制約はなく、適切なインフレ率になるまでは財政赤字を拡大させる必要があるという。しかし、だからと言って、無駄な財政支出をするわけにはいかないのではないか? この問いに対して、中野剛志氏は、防災…
2020.4.8
プライマリー・バランス黒字化目標は、国民を貧困化する政策である――。中野剛志氏はそう主張する。20年以上もデフレで苦しみ続けたうえに、コロナショックに見舞われた日本において、財政健全化を優先することが、なぜ、国民経済に破壊的な影響を…
2020.4.7
日本の“後進国化”が止まらない……。この20年間、デフレからの脱却に失敗し続けてきた結果、1995年には世界全体のGDPの17.5%を占めた日本のGDPは、2015年には5.9%まで低下。このまま放置すれば、確実に“後進国”になると中野剛志氏は危惧する…
2020.4.3
世界最低の経済成長率――。これが、日本が置かれている厳しい現実だ。中野剛志氏は、第二次世界大戦後、世界で初めて日本はデフレに陥り、20年もの長きに渡って克服することができなかったことが原因だと指摘する。そして、デフレ下にある日本にお…
2020.4.2
「国債を発行して財政支出を拡大することで、財政支出額と同額だけ民間の預金通貨は増える」。MMTは、こう主張しているが、これは「オピニオン」ではなく、「事実」であると中野剛志氏は言う。そして、この「事実」を知らずに、消費税増税にコロナ…
2020.4.1
1990年代から、日本は、国債を発行しまくって政府債務残高がどんどん増えて、多くの経済学者が「国債金利が高騰する、高騰する」と言い続けてきた。しかし、長期国債金利は世界最低水準にあるのが現状だ。なぜ、予測は外れてきたのか? 中野剛志氏…
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