クロサカタツヤ
第47回
ソニーが59億円の黒字、シャープ、パナソニック、NEC、富士通が、合計で300億円超の赤字――7月末に相次いだ、電機メーカーの第1四半期決算発表から、モバイル分野の営業利益を抜き出した数字である。ソニーと他社が明暗を分けた要因は何か。

第46回
前回に続いて、2013年2月に開催されたケータイ産業の大展示会「モバイル・ワールド・コングレス」のレポートをお届けする……と、本題に入る前に、本連載の執筆が5ヵ月近く中断しまったことを、まず読者の皆様にお詫びしたい。

第45回
バルセロナで開催されているケータイ産業の国際展示会「モバイル・ワールド・コングレス」に今年も参加してきた。やはりここに来ないと世界的なトレンドは分からないし、端末はもちろん、基地局などの通信機器に関しても、新たな動きが構造化されつつあることが、よく分かった。

第44回
前回の記事には、有難いことに多くの反響をいただいた。そうした中で少なからず耳にしたのが「ドコモはガラケーを復活させるべし」という意見だった。しかし、おいそれとフィーチャーフォンを再興できる状況では、どうやらなさそうだ。

第43回
「NTTドコモは大丈夫なんですか?」打ち合わせの冒頭、お客さんとよく雑談をするが、最近必ずといっていいほど聞かれるのが、この質問である。先月末発表の2012年4-12月期連結決算はいわゆる増収減益。同時期の新製品発表会の芳しくない評判も、ネットやSNSであっという間に広がった。

第42回
前回に引き続き、米ラスベガスで開催された、世界最大級のデジタル関連の展示会International CESの様子をご報告する。今回は本連載の看板通り、スマートフォンの動向などを取り上げる。

第41回
世界最大級のデジタル関連の展示会International CESが、米国ラスベガスで1月8日から始まった。特に日本に暮らす消費者としては、今年のCESの注目点はずばり、「日本メーカーは大丈夫なのか」ということに尽きるだろう。本連載ではCESの会場から見える2013年の風景を、素描してみたい。

第40回
前回に続き、2013年のモバイル界を占う。端末のハイエンド・ローエンド二極化の動きの背景と、それらをも包含したの全体的なトレンドを見てみよう。

第39回
今年も残すところあと2週間少々。年明けの1月、2月にはアメリカとスペインで大きなショーが開催され、新たな製品が続々発表される。そこで今回と、再来週更新予定の次回で、2013年のモバイル分野の展望を占ってみよう。

第38回
通信事業者が「土管化」していると言われる。これは、彼らが音声やデータの伝送を生業としている状態を指している。「通信事業者なのだから当たり前では?」思われるかしれないが、昨今の通信業界では、これが重大な話題として議論されている。

第37回
「で、NTTドコモから、iPhoneは出るんですか?」この仕事をやっていて、結局一番多い質問であるように思う。そんな「ドコモiPhone」の噂が、ここにきて業界内でまたぞろ広がっている。今度こそ起死回生の一手を打つという、希望的観測にも近い見立てである。

第36回
先週末、パナソニックが携帯電話事業を縮小する、という報道が流れた。同社からの正式な発表はないが、報道によれば今春に改めて参入した欧州市場でのスマートフォン販売を今年度中に打ち切り、国内事業も縮小するという。

第35回
さる10月11日、ソフトバンクが全米第3位の携帯電話会社スプリント・ネクステルの買収を検討していると報じられた。すでに合意間近ともささやかれる一方、ソフトバンクの株価は大きく下げた。本件の狙いや影響を考察してみよう。

第34回
去る9月19日、川端総務大臣は、かねてよりヤフーがサービス提供を目論んでいた、Yahoo!メールのインタレストマッチ広告について、これを容認することを、記者会見で明らかにした。本連載でも以前触れたが、これは日本の情報通信業界全体の将来を左右する、大きな変化である。

第33回
アップルの発表を見ていた通信事業者や端末開発者と話をしていて、異口同音に「どうもこれまでと何かが違う」という話になった。まず違和感を覚えたのは、アップルのプレゼンテーションが「端末のスペック(技術的な性能)」を強調したものだったということ。

第32回
今回のアップルvsサムスン訴訟の評決が作り出した潮流は、単に両者の関係だけではなく、日本を含めた世界中の今後のスマートフォン普及において、極めて大きな転換点となるだろう。そこで今回は、現時点で分かる限りだが、日本市場も含めた影響分析を試みる。

第31回
スマートフォンのセキュリティに関して取材を受けることが、このところとても多い。不正アプリ問題に、私たちはどのように立ち向かえばいいのか。取材の関心は総じてそこに向かうのだが、答える側としては相当難しい問題でもある。

第30回
平成24年(2012年)版の情報通信白書が公表された。政府が発表する白書というと、何やら難解な書物を想像するかもしれないが、特に近年は「読み物」としても楽しめる内容となっている。中から、おもしろいデータや分析をいくつかをご紹介したい。

号外
Yahoo!JAPANが8月に始める新たな広告配信は、国の「通信の秘密」の在り方に一石を投じた。この問題は情報通信産業全体に影響を及ぼしかねない。今回は「スマートフォンの理想と現実」の番外編として、クロサカタツヤ氏が「通信の秘密」の歴史的経緯を紐解き、その本質と現代的意義について考察する。

第29回
そう遠くない将来、ネットでの閲覧履歴や購買履歴、リアルでの決済履歴やポイント獲得情報、GPSによる移動データなどがスマホを結節点に融合し、「データに包まれた人間」と、その社会が誕生するだろう。しかし、こうした世界は、果たして幸せなのだろうか。
