上田惇生
第293回
何に対して貢献するかどのような貢献ができるのか仕事ができる者は自分で考える
一流の仕事ができるようになるには、生まれつきの才能などいらないというのだから、うれしくなる。しかも必要なのは、習慣的な姿勢と基礎的な方法だけだという。

第292回
「社内を歩き回れ」は間違い社外の“変化”を知らなければ時代に置き去りにされる
あらゆる組織が、世のため人のために存在する。すべて組織は、世の中や人が必要とするものを生み出し、届ける。だからドラッカーは、組織としての企業の目的は“顧客の創造”だという。

第291回
ドラッカーが問いかけたいかなる組織にもかかわる「最も重要な5つの質問」
成果が現れるのは、今日ではなく明日かもしれない。しかし行動するのは、明日ではなく今日である。今日以外に行動の日はない。

第290回
社会を持たない大衆には失うものがない今日では失うべきイズムもない
産業革命によって生産力は増大した。自由に経済活動を行なえば豊かになるとのご託宣もあった。その資本主義が約束を果たせなかったとき、今度は、生産手段を労働者の手に渡すならば、さすがの難問もついに解決するとされた。

第289回
事業の定義が陳腐化するとどのようにマネジメントしても事業は左前になる
難攻不落に見えた組織が、これほどまでに危機に見舞われるようになったのは、マネジメントの方法が急に下手になったからではない。単に、これまでの事業が時代遅れの間違ったものになったにすぎない。

「なぜドラッカーは愛されるのか?」5年かけて高校を卒業し、大学1年生になった著者がはじめて出会ったのは『現代の経営』だった。
ドラッカーを読みたいけど、何から読んだらいいかわからない。そんな多くの声に応えるべく、ドラッカー作品の多くを翻訳してきた訳者の上田惇生さんが、「ドラッカーの完全ブックガイド」をまとめた。ドラッカー本人を最もよく知る日本人の目に映った、ドラッカーの魅力とは?

第288回
トップの仕事ほど細心の注意をもって整理しなければならない
トップの仕事ぶりが組織の仕事ぶりを規定するというのであれば、なにがなんでもトップには頑張ってもらわなければならない。トップとして行なうべきことに集中し、トップとして卓越した仕事をしてもらう必要がある。

第287回
時間は最も希少な資源時間をマネジメントできなければなにもマネジメントできない
ドラッカーには、時間に関する名言が多い。その多くは、ドラッカー自身が“万人の帝王学”と位置づけるロングセラー『経営者の条件』で述べられている。

第286回
マネジメントは学ぶことができるしかし、あとからでは学ぶことのできないものがある
マネジメントにできなければならないことは学ぶことができる。しかし、学ぶことのできない資質、後天的に獲得することのできない資質、始めから身につけていなければならない資質が1つだけある。

第285回
乱気流の時代に重要なことは組織を健全かつ堅固なものとしあるべきものを創造すること
ドラッカーは、中国では昔から、「せいぜいおもしろい目に遭うがいい」と悪態をつくという。人は誰でも平穏無事がいい。おもしろい目になど遭いたくない。

第284回
不況期にも人的資源を維持し生産性を向上させ続ける企業は必ずや成長の機会に出会う
不況期にあって、あるいは不況期のあと、衰退していく企業が少なくない。しかも、世は、好況を取り戻したというのに、昔日の面影を取り戻せない。これこそ、経営者の責任である。

第283回
トップの役割はイノベーションのための風土を醸成すること
組織内に存在する変化への抵抗こそ、長いあいだマネジメント上の大問題の一つとされてきた。しかし、問題がどれだけ解決されたかというと、はなはだ疑問である。

第282回
社会のリーダーとしての“プロの倫理”とは知りながら害をなさないこと
企業倫理に関係がないにもかかわらず、企業倫理として説かれてきたことの典型が、企業人たる者、悪いことは、してはならないだった。企業人は、ごまかしたり、嘘をついたりしてはならない。

第281回
トップマネジメントとは一人ではなくチームによる仕事である
ドラッカーは、こう言う。「問題はトップマネジメントとは何かではない。組織の成功と存続に致命的に重要な意味を持ち、かつトップマネジメントだけが行ないうる仕事は何かである」。

第280回
マネジメントの実践が物質的な豊かさと精神的な豊かさを左右する
われわれは、今日、組織社会に生きることになった。社会が組織化されたということではない。組織から成る社会になったという意味である。その組織の運営の仕方がマネジメントである。

最終回
われわれの強みは何かわれわれの事業は何か
自らの強みを基盤としたものでなければ、最終的に他を凌駕する、顧客から見て際立ったものにならない。自らの強みを把握できてはじめて、「われわれの事業はなにか」という最も重要な問いに対する手がかりを得ることができる。

第4回
イノベーションは天才だけのものではない
なにも技術革新だけがイノベーションではない。そのときどきに応じた「新しい満足を生み出すこと」、それがイノベーションである。それでは、「新しい満足の種」はどこにあるか? ドラッカーはイノベーション機会の探し方のみならず、マネジメントの仕方までをも示してくれる。

第3回
マーケティングの理想は販売を不要にすることである
マーケティングは販売を不要にする。「ああ、これが欲しかった」と思い、顧客自ら財布の口を開く。そのような状態をつくるには、顧客が何を欲しているか、望んでいるか、何に価値を認めるかを知らなければならない。ドラッカーはまず「顧客に聞け」と言うが、同時に、顧客は必ずしも答えを知っていないという。

第2回
最も有名な名言「顧客の創造」をどう理解し、実践するか
「顧客の創造」は、ドラッカー教授の至言のなかでも、最も有名な言葉である。では、あなたの事業の顧客は誰か。もちろん、おわかりかと思う。しかし事業の現在、そして未来を考えていくうえで、本当にそれでよいのだろうか? ドラッカーは、「わかりやすい答えが、そのまま正しいことはほとんどない」と言う。

第1回
ドラッカーは世界で初めて事業を正面から取り上げた
事業の存在意義は、使命は、目的は何か。事業のマネジメントとはどういうものか。世界ではじめて事業について記したのが、ドラッカーである。不透明な時代だからこそ、ドラッカーの言葉は、私たちが歩むべき道を示してくれる。
