大崎真澄
日本でもカーボンニュートラルの実現に向けて脱炭素経営を表明する企業が増えてきている。さまざまな企業がCO2排出量の削減を目指した取り組みを始めているが、製造業やエネルギー産業をはじめ、排出量を減らすことが難しい業界も少なくない。


業界や職種ではなく、「社会課題の解決に力を入れているかどうか」で就職先を選びたい──そのようなZ世代の就活生のニーズに応えるサービスが、一部で広がり始めている。サービス名は「エシカル就活」。気候変動や地方創生など各社が取り組んでいる社会課題を軸に、情報収集や企業選びができる就活プラットフォームだ。2021年5月のローンチから約1年で掲載企業は約40社、登録ユーザー数は3000名を超えた。

医療機関や自治体などへ“医療通訳サービス”を展開するメディフォンが事業を拡大している。同社の主力サービス「mediPhone」は遠隔にいる医療通訳者をマッチングする仕組みと機械翻訳システムを組み合わせたものだ。登録医療翻訳者の数は300名を超えており、英語や中国語を始め31言語に対応する。

オンライン飲み会用のフードボックス「nonpi foodbox」などを展開するフードテック企業のノンピが、トップシェフとタッグを組みフローズンミール(冷凍食)の定期配送サービスを始める。特徴は「ミシュランシェフを始めとした、トップシェフが監修した料理を自宅でいつでも食べられる」こと。電子レンジで数分温めるだけで調理が完了する手軽さもウリで「忙しい中でも美味しい食事を楽しみたい」というニーズに応えられる。

普段なら捨ててしまうようなレシートがお金に変わるレシート買取アプリ「ONE」。5月には累計400万ダウンロードを突破するなど、ローンチから丸4年にわたって成長を続けてきた同サービスに“オンラインショッピングをお得にする”新たな仕組みが加わった。

ダークストアを用いたクイックコマースサービス「QuickGet」を手がけるクイックゲットが3.5億円を調達し事業の拡大に向けて舵を切る。すでに「平均配送時間11分をキープしながら、1配送あたりで黒字化を達成」しており、今後は投資を加速させていく計画。拠点数も3年で200カ所まで広げる方針だ

Appleがついに「Buy Now Pay Later(BNPL)」に本腰を入れる。6月初旬に開催された開発者向けのカンファレンス「WWDC2022」で、Apple Payの大きなアップデートとして後払い機能の「Apple Pay Later」を発表した。

ユニークな店舗がお店ごとオフィスや自宅の近所までやってくる──。Mellowが手がけるのはキッチンカーを始めとする“店舗型モビリティ”と街の中の空きスペースをつなぐプラットフォーム「SHOP STOP」だ。もともとはキッチンカーとオフィス街のスペースをマッチングするサービスとしてスタートしたが、近年はパンや鮮魚、靴磨き、自転車修理、美容など店舗の種類も拡大し、登録店舗数は約1600店にのぼる。

SaaSやFinTech領域で事業を展開するLayerXが、第3の事業として独自のプライバシー保護技術を基に「PrivacyTech(プライバシーテック)」領域へ本格的に進出する。

内容に定評のある日本の“人気マンガ”を、英語の多読学習用の教材にするのはどうか。そんなアイデアから生まれたのが、マンガ作品で英語の多読学習に取り組めるアプリ「Langaku(ランガク)」だ。

Amazonなどに出品する有望なECブランドを買収し、独自の成長ノウハウを注入することで規模を拡大させ、収益を上げる──。このようなビジネスは「ECアグリゲーター」や「ECロールアップ」と呼ばれ、近年グローバルで複数のユニコーン企業が生まれる注目の領域だ。2018年創業のACROVE(アクローブ)も、今後この領域で事業の拡大を見据えている。

2020年10月創業のシンプルフォームが開発した「SimpleCheck(シンプルチェック)」は、法人調査のプロセスを自動化することで金融機関の担当者の負担を軽減し、さらには審査の高度化までをサポートするサービスだ。特徴は、法人名を入力すれば約30秒でその企業の最新情報やリスク情報をまとめたレポートが手に入ること。テクノロジーとマンパワーを組み合わせ、情報が不足しがちな中小企業や新興企業などを含めた独自の法人データベースを構築している。

従業員規模500人以上の非IT系企業を中心に、累計で約5000社が導入するナレッジ共有サービス「Qast」。社内に埋もれている個人の知見を引き出し、誰でも簡単にその情報へアクセスできる仕組みを作ったことで、着実に事業を伸ばしてきた。運営元のanyでは2026年までに5万社への導入を目指し、機能拡充や組織体制の強化を進めていく計画。その資金として複数の投資家から4.5億円を調達した。

オンライン上で全国の生産者から食材や花きを直接購入できる“産直EC”という選択肢が広がってきている。ビビッドガーデンの運営する「食べチョク」は現在65万人以上が登録。同サービスの年間流通額は2019年10月から2年で約128倍に成長した。生産者の数も7200軒を超え、2020年8月に資金調達を実施した際と比べても3倍以上に増加している。

マンションの管理組合やビルのオーナーが大規模修繕工事を実施するにあたり、適切な発注先を選定できるようにサポートするサービス「スマート修繕」。運営元のスマート修繕で代表を務める豊田賢治郎氏は、自身が2年間マンション管理組合の理事長を経験したことをきっかけに同サービスを開発した。

ユーザー自ら購買データを提供することで、ECサイトの買い物がお得になる──。ユーザーに明確なメリットを提示することで多様なデータを収集し、そのデータを企業の課題解決につなげていくことを目指しているスタートアップがある。2018年創業のマインディアだ。

エンジニア採用におけるミスマッチを防ぐ目的で、選考プロセスにおいて「コーディング試験(技術試験)」を導入する企業が増え始めている。

複数のキーワードを基に、ニュース記事やビジネス用のメール、職務経歴書などの文章を約6秒で生成する文章執筆AI「ELYZA Pencil(イライザペンシル)」。同技術を開発するELYZAは、マイナビと共同で大規模言語AIを活用した原稿作成に関する実証実験を始めた。

決済や会計、経費精算など「法人の支出管理」にまつわる課題を、テクノロジーを活用して解決するスタートアップが続々と登場している。グローバルでは「Spend Management(支出管理ソフトウェア)」と呼ばれる領域だ。代表格の米BrexやRampはもともと法人カードを起点に急成長を遂げたが、近年は請求書支払いや経費精算など機能を拡張させており、“法人カードの会社”ではなくなりつつある。
