(スタッフ)「店長、あの新人の子、全然動かないんですけど!!」
(店長)「ああ、まだ何も仕事を教えていないから仕方ないよ」
(スタッフ)「ええっ!!ほったらかしにもほどがありますよ~」
(店長)「うぅ…、僕も今日は手いっぱいだったんだ」
なかなか忙しくて教育の時間がとれないアルバイトの現場。ついつい育成を後回しにして、OJTとは名ばかりの放置状態になってしまいがちだ。しかし、新人バイトに“ほったらかし”は禁物。新人受け入れを成功させるための職場づくりとは?最新刊『アルバイト・パート[採用・育成]入門』から一部を紹介する。
「ほったらかし」は絶対NG
前回の記事では、早期離職のいちばんの要因は「リアリティ・ショック」にあり、それを防ぐには面接時の適切な現実的職務予告(RJP)が必要だということを確認しました。
とはいえ、もちろんイメージと現実のギャップだけが原因で「すぐ辞める」のかといえば、そんなことはありません。新人受け入れステージでは、そのほかにどんなことに気をつければいいでしょうか?下のデータを見てください。
■新人の離職を招きやすい不満要因
「リアリティ・ショック関連」以外で早期離職と高い相関を示しているのが「仕事中にほったらかしにされること」(3位)です。
せっかく新人を採用したのに、あまりにも職場が忙しいせいで、教育や指導をしないまま「放置」してしまっていませんか?これが新人アルバイトの大きなストレスとなるのは間違いありません。
とくに入ったばかりの新人に対しては、先輩バイトや店長がつきっきりで指導できるようなシフト体制を組み、「ほったらかし」を防止するようにしましょう。マニュアルを読めばわかることでも、マニュアル任せにするのではなく、自分たちで「育成する」のだという意識で新人アルバイトに接する必要があります。