家庭用エアコン買い替え推進のために、
エコポイントを復活せよ

 省エネタイプのエアコンへの買い替えプラン、これは企業だけでなく一般家庭でもぜひ実践していただきたい。

 家庭レベルでの節電より大口需要者である企業をまとめて抑制するほうが効率的、効果的であることは前回も申し上げたとおりだ。

 しかしそれは、当然ながら、節電を企業任せにするということでも、家庭では何もしなくていいということでもない。

 冒頭でも申し上げた、4月8日に政府が発表した節電促進対策の骨子には、企業などの大口・小口需要者だけでなく、一般家庭に向けても15~20%の電力使用抑制を求める(強制力はない)内容が盛り込まれている。

 企業のみならず家庭においても、夏場の電力使用に占めるエアコンの割合は非常に高い。ならば「あれこれ分散させるより、いちばん電気を食うものを狙って節電する」というニッパチの法則は、一般家庭にもそのまま通じるのだ。

 家庭・個人レベルでも、大きな節電効果が期待できる「エアコンの買い替え」を、より推進させるために、政府にひとつ要望がある。

 それはエコポイント制度の復活だ。

 エアコンを買い替えた家庭に対する優遇措置を今すぐ行ってほしい。

 省エネ家電購入者サービスとして話題になった「家電エコポイント制度」だが、2011年1月1日以降、エアコンはエコポイント対象から外れてしまっている。

 だが今夏に向けて、環境対策というよりも重要な節電対策として、省エネタイプのエアコンに限り、エコポイント制度を復活させていただきたい。

 本格的な夏を前に、ほかの家電はともかく大量節電につながるエアコンに関してだけは、購入時の優遇措置を続けるべきなのだ。もっといえば、このことを徹底してテレビCM等でPRし、いかに節電になるかについても周知徹底をはかるべきだ。

 企業においても、一般家庭においても、一時的な設備投資と取り付け工事が必要なだけで、その他には何の不自由も発生せず、非常に大きな節電効果が期待できる。なおかつ大幅なコスト削減になる。

 さらにエアコン特需が起きれば、景気向上にもつながる可能性もある。

 本連載で何度も申し上げている「経済を回しながら電力を削減し、計画停電を回避する」ことが実現できる、非常に現実的なアイデアだ。新しい法律や制度、仕組みを作るわけではないので、政府は今すぐに着手できるはずだ。

 最新型、省エネタイプのエアコンへの買い替え――実に効果的で合理的、そしてシンプルな対策と言えるだろう。