「①局地戦で戦う」では、すべての流通ルートで戦うのではなく、すでにOA機器で取引実績のある法人に販路を絞って、局地戦を繰り広げようとしています。
「③接近戦で戦う」では、馴染みのある什器備品の担当者との直接交渉で戦いを優位に進めようとしています。
「④一点集中攻撃をかける」では、照明器具の中でもLED照明に絞って商品を展開し、力を集中させています。
いかがでしょうか。このランチェスターの弱者の戦略は、業界下位で苦しんでいる企業が上位企業と戦っていくうえで有効なのはもちろんのこと、新規参入していく際にもたいへん役に立つ戦略です。
実際に新規参入で成功しているケースは、上記のいずれかの戦略を採用している企業が目につきます。たとえば、前回化粧品業界でご紹介したロート製薬はドラッグストアという局地戦で戦い、新規参入を成功させました。日用品トップの花王は、飲料事業に参入する際に“ヘルシア緑茶”で一点集中攻撃をかけてコカコーラや伊藤園、サントリーなどの強者に挑み、見事に独自の地位を築いています。
もし、読者の皆さまの会社で、現在持っている技術や販路、ブランド資産などを活かし、新規事業に乗り出そうとしているケースがありましたら、ぜひこの弱者の戦略を参考に差別化を検討されてはいかがでしょうか。