上司が締め切りを言わない仕事に、
みずから締め切りをつくる

 仕事のヤル気は、自分で締切を言えるかどうかでわかります。

 「この資料をまとめておいて」と頼んで、「急ぎですか」と聞く人がいます。

 私はそう言われたら、ほかの人に頼みます。

 その質問は、その仕事をやりたくないということだからです。

 この時に、

 ① キョトンとして「急ぎですか」と言う人

 ② 困ったように「えー、急ぎですか」と言う人

 の2通りに分かれます。

 どちらの返事もアウトです。

 「目標は11時でいきますけど、最悪12時までに仕上げます」と時間を切ってもらうと、上司はそれだけで安心します。

 たとえ1時までかかっても、「こいつは12時までにやろうと宣言していた」ということで、「なるべく早く」で持ってくる人よりダンゼンいいのです。

 仕事には、締切を与えられた仕事と、与えられていない仕事があります。

 締切を与えられている仕事は、

 ① 面白くない仕事

 ② ガキ扱いされている仕事

 の2通りです。

 信用がないからこそ、上司は締切を与えるのです。

 部下として上司の信頼を得るためには、上司が締切を言わない仕事に対して、みずから締切をつくることです。

 その時には、「上司はこれをいつまでに要るんだろうな」と予測をする→それより早い締切を自分で設定する→さらにその締切より早く提出する、この3段階が必要です。

 それがたとえ30分刻みの3段階でも、そこに努力や工夫が生まれます。

 自分で締切を言うことで、上司が仕事を頼んでくれるようになります。

 仕事は頼まれなくなったら終わりです。

 「忙しいから誰かほかの人に言ってください」と言っているうちに、仕事はなくなります。

 しかも、面白い仕事は来ないで、誰がやっても同じようなつまらない仕事しかまわされなくなってしまうのです。