すぐやれない人は、
ミスがおこらないことを前提にしている

 おわびをしていると、何かをやっているような錯覚に陥る人がいます。

 おわびは全部自分のためです。

 相手のためではありません。

 「これから直接お会いして」と言っている人は、さらに相手の時間を奪おうとしていることに気づいていません。

 「これからおわびに伺いたいので、お時間いいでしょうか」と言われても、忙しい人は対応に困ります。

 言いわけよりは、謝ったほうがいいです。

 何度も謝るよりは、対応策をとったほうがいいのです。

 言いわけをしたり、謝っていることは、ミスをした本人のストレスにもなります。

 そのストレスで疲れ切ってしまうと、次の行動に移れません。

 言いわけやおわびをするムダな時間を、すぐに次の行動にあてたほうがいいのです。 

 旅行のコーディネーターで、現地のホテルのダンドリの悪さを「現地がひどいんです」と言う人がいました。

 こういう時には、「よくあること」と言ってもらえると旅行者はホッとします。

 「こんなことはよくあることです」と平然としていられるほうが、この人は頼りになるなと思えます。

 「ひどいんですよね」などと、誰かのせいにしないことです。

 「対応が悪いのは当たり前」というところから始めればいいのです。

 すぐやれない人は、ミスが起こらないことを前提にしています。

 でも、ミスは起こるということを前提にする必要があります。

 何をするにしてもトラブル・アクシデント・ハプニングは必ず起こります。

 トラブルが起こったからといって、誰が悪いという犯人さがしをしたり、全部を人のせいにしたりすると、次に自分自身がやろうとする行動を遅らせるだけなのです。