ホテルは、もっと遊んで一部屋ごとにインテリアを変え、“インスタ映え”を狙えばいいのではないか、と私は思う。
中国でこの価格層のホテルに泊まる人々は、日本より20歳若い。
彼らはお金を払って無印が主役の“ショールーム”の一部になりに来ているのではない。そこで自分が主役になりたいのである。ホテルでも飲食店でも、“楽しさ”一番である。
ショップはIDEEの家具店が併設され、大人気だった。
IDEEが扱うハート型のJOLY COEURのソファなんて、それが部屋にあるだけで中国人は泊まりにきそうである。
私だったら、革張りソファに本棚があって、デザイン系の本があれば部屋から出ないだろう。ちょっとミスマッチに日本の南部鉄瓶もあったら試してみたい。
プロが作った憧れの部屋がいろいろあれば、また泊まってみたい。中国人が注目しているのは、日本のシンプルではなく、まさに和洋折衷のレストランのように、西洋のものも取り入れて、全部おしゃれにしてしまう日本のデザイン力なのだから。
もしくは“無印体験館”として安くする。
朝食時に、リストの人数からチェックした稼働率はまあまあで、ショップとレストランは大はなまる、ホテルはガンバレ!という感じだろうか。
同じ価格なら、客を主役にすることに長けた外資高級ホテルの勝利、シンプル&安さならローカル如家的ホテルの勝利。無印オタクたちも金にはけっこうシビア。
ホテル業って、簡単なように見えて、なかなか奥が深い、と思った無印良品ホテル深センであった。