実際、宇宙ビジネスを手がけるベンチャーには、IT産業から来たプレーヤー、IT関連の資金が投入されているケースが少なくありません。
ではなぜ、宇宙にITなのか。
それは、宇宙でしか取れない情報があるからです。宇宙だからできる、宇宙でしかできないITビジネスがあるからです。
アマゾンにしても、グーグルやフェイスブックにしても、IT産業の延長として宇宙を見ていると言えます。宇宙を「情報」や「通信」の手段として見ているから、IT起業家たちはビジネスとして入っていきやすいのです。
端的にいえば、宇宙にネットワークを張り巡らせることで、地球のデータが集まりやすくなる。「ビッグデータ」を集める手段、そしてグローバルにつなぐ「コネクティビティー」の手段として活用できます。
アメリカの調査会社ニュースペース・グローバルが、宇宙関連企業のランキングを提供しています。その企業一覧を見ると、宇宙データを活用するデータ会社に多くの投資が集まっていることがわかります。また、そうしたデータ会社がどんどん増えてきています。
すでに100以上のキューブサット(超小型・軽量の人工衛星)を打ち上げて地球観測データサービスをしているプラネットや、スペースXのようにブロードバンドのための小型衛星のコンステレーション(複数の人工衛星を連携させる運用法)を計画している企業、衛星を自分たちで持ったり、衛星データを購入して「宇宙ビッグデータ」を提供しているデータアナリティクス企業などさまざまです。